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先生:私も20歳くらいの頃、それこそ猛烈なかゆみを感じて、婦人科へ行ったことがあるんです。診察台って診察するのと自分が実際乗ってみるのとではぜんぜん感覚が違うの。実際、内診台が上がりはじめると、力が入ったり、思わずのけぞったりして、逃げ出そうかと思ったくらいだから、みんなやっぱり受診しにくいだろうなというのはありますね。 |
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大塚:私が以前行ったのは大病院。内診をせわしくやっていてカーテンの仕切りの向こうでは看護婦さんがバタバタ歩いていて、もう丸見えなんです。 |
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先生:一般的にはまだそういうところが多いですね。場合によっては内診台で、バスタオルだけかけて、足を上げて開いたまま待たされたりするので、どうしても患者さんに不信感を与えてしまいます。だから、効率は悪いですけれどうちではあえて個室にしているんです。診察内容がもれないように診察室と待合室をなるべく遠ざける工夫もしています。 個室だと、入ってくるのは看護婦さんくらいだから、安心して着替えられますし。誰か入ってくるかもしれないと思って内診室にいるのは、お風呂に鍵をかけずに入っているような感覚で落ち着きませんよね。
一度いやな思いをすると次に行かなくちゃと思っても行きづらくなってしまいますよね。そうすると、婦人科系の病気というのは切羽詰らないとどうしても婦人科に行かないから、子宮がんや卵巣腫瘍などに関しては発見が遅れることがしばしばあるんです。 |
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健康管理のために年に一度は婦人科受診が必要かと思いますが、そのためには患者さんがなるべく来やすいような気配りが大切だと思います。大体婦人科の患者さんて「やばい病気だったらどうしよう」と思ってきている方がほとんどで、そんな中2時間延々と待ち続けるのは苦痛だと思います。だからうちは予約の電話を入れたりして、あまり長居をしなくて済むよう、なるべく敷居を低くするよう配慮しています。 |
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大塚:こちらはきれいで、明るく、とても入りやすい雰囲気ですね |
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先生:やっぱり男の先生だと怖いというので、同じ先生でも女医を求める患者さんが多いんです。でも、思い切って来たのに、怖い女医さんだったらもっと婦人科を嫌いになってしまうじゃないですか。だからある程度怖くないように患者さんの言うことも許容してあげるようにしています。また、病気になってしまうのは仕方ないとしても、繰り返さないようにさせないといけないし、すぐに治療してあげないといけないし、そして、もしまた病気にかかってしまったとき早く気づいてくれるように、あそこは雰囲気もいいし行きやすいから、まだ症状軽いけど行ってみようと軽い気持ちで来られるところになればいいと思います。 |
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大塚:私、普段からおりものが多くて、生理以外のときでもいつもおりものシートをしているんです。においが強いときもあったりするんですが、そういう女性は多いですか? |
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先生:基本的におりものは無色透明、または白色で匂いがなくてかゆくならないのが正常ですが、もともと腟の中は雑菌の繁殖を抑えるための自浄作用があるんですが、疲れや体力低下、免疫力低下によって雑菌が繁殖してしまうんです。やはりにおいがあるとか、おりものが多いというのはある程度おかしいと思います。あまり慢性化すると、かぶれやすいおりものが出てくるのでおりものシートをあてるとむれて逆に治りにくくなったり、腟の中や子宮の入り口が充血したりします。慢性腟炎を起こしやすくなったりもするので、早めに対応したほうがいいですね。 |
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大塚:対応するとしたらどんな方法がありますか? |
先生:自力で治すのは難しいです。よくセペとかで腟の中を洗ってしまう人がいますが、そうするといい菌まで洗い流してしまうのでかえって自浄作用を低下させてしまいます。セペというのは基本的に月経の切れが悪いときにちょっとだけ流すものなので、やはり婦人科を受診して悪い雑菌だけを殺す治療をしないといけないですね。それから、若い子の間では私たちでも見つけにくいクラミジアなどの性感染症も増えてきています。放っておいておなかの中で癒着して不妊症になってしまうといけないので、とりあえず婦人科を受診した方が安心だと思いますよ。 |
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大塚:あと、生理が終わっておりものが出だしてから一週間後くらいに必ず血が混じるのは排卵の影響ですか? |
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先生:それは排卵日の出血もあるけど、ホルモンのバランスが崩れていたり、腟の中の炎症が強くなっていることもあります。きちんと基礎体温をつけて排卵日に毎月一定して出血があることがわかってはじめて排卵日の出血と思ったほうがいいですね。不正出血というのは基本的によくないです。脅すわけではないけれど、最近、若い方の子宮がんが増えていて、早めに受診して見つかってよかったという人も確かにいます。自己判断で決めるのは基本的に危ないんですよね。 |
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大塚:そういう意味では、定期健診というのは大事ですよね。どのくらいおきに受けたらいいでしょう。 |
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先生:24、5歳くらいの方で、友達が卵巣腫瘍になったから自分も心配で来ました、という方を一応診察してみたら本当にあったなんて思いがけないこともよくあります。極端な例ですが、名古屋市では子宮がんの若年化という観点から20歳くらいからがん検診を取り入れようという話も出ています。実際20代後半でがんが見つかる方は確実に増えています。かといって20代後半の方が毎年子宮がん検診をしなければいけないとは思いませんが、30代を超えたら絶対に毎年受けたほうがいいと思います。 |
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先生:着実に増えています。たとえば子宮がん検診なら、診察結果を送ることで患者さんに極力負担がないように心がけていますから。待ち時間も診察時間もスムーズに済むようにして、皆さんに次の検診を忘れても嫌な顔しないから思い出したら来てね、というと2年くらい空いても来られる方が多いです。 |
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大塚:1回の検診で時間や料金はどれくらいかかりますか。 |
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先生:診察自体はものの5分か10分くらい。料金は、名古屋市だと公費負担があれば検診だけで1,700円くらいです。公費負担だと内診と細胞を取るだけになってしまうので、卵巣の病気を見過ごしてしまうことがあります。私はポリシーとして必ずエコーで卵巣に異常がないか、子宮の中に異常がないかを診るようにしています。30歳を超えた方は子宮がん検診と卵巣の検診があると最初に話をします。卵巣の検診もするようなら、病院によっては自己負担のところもあれば、一緒に診てくれたりするところもあります。原則として卵巣の検診だけの場合保険診療ではなく自己負担になるので、子宮がん検診の公費負担分と、卵巣がん検診の自己負担分を合わせて7、8千円くらいはかかると思います。病院による違いもあるので事前に電話で確認されるのがいいでしょう。 |
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大塚:30歳を越えてここ一年くらいは診てもらったほうがいいかと思ってはいてもなかなか行動に移せないでいます。 |
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先生:口コミだったり、インターネットで検索したりして、はじめて行くところで自分の下を見られるのは、高級レストランに一人で入るような雰囲気でなんだか抵抗がありますよね。私たちもその点を理解してあげるように、スタッフにも口をすっぱくして言っています。自分が受診するつもりになって配慮してあげるように。婦人科全体でもうちょっとそういうところが増えて、たとえば小さい病院で検診を受けて、大きい病院で手術など難しい治療をするというシステムができれば、婦人科受診もスムーズに行くのかなと思います。現時点では大きい病気も小さい病気もお産も入り乱れた世界なので、婦人科系の病気の人は肩身が狭かったりしますよね。 |
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大塚:生理前になると誰でもちょっとイライラしたりしますよね。それが私は半端じゃないんです。突然泣き出したり、運転して車に傷をつけちゃったり。職場でトイレにこもって泣いたこともあります。 |
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先生:基礎体温をつけると周期の後半は体温が上がりますよね。そのときに出てくる黄体ホルモンが不快な症状の原因といわれているのですが、それは程度に差はありますがたいていの人にみられる正常な症状です。正常だけれど不快なものを、不快でないレベルにするのは結構大変なんです。日常生活を規則正しくするとか、ストレスをためないとか、ストレッチをしてリラックスするとかは一般的な治療ですが、もともとの原因がはっきりしない人がほとんどだからなかなか難しいんです。そこで対症療法として、うつになるようなら抗うつ剤を使ったりもしますが、皆さんそれには抵抗が強いようで漢方を好んで選ぶ方が多いです。ところが漢方は効く人は効くし、効かない人はぜんぜん効きません。いろいろ試してだめな場合はOC(低用量ピル)へ移行する方もいます。OCというと副作用ばかりが思い起こされますが、服用者のメリットになりうる効果が出ることがあります。 |
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大塚:友達が飲んでいるので、OCの存在は分かっていましたが、避妊や月経の来る日を調節する以外の効果はまったく知りませんでした。 |
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先生:昔コンタクトレンズが受け入れられなかったのに似ていると思うんです。コンタクトレンズをつけ続けると目が傷つくとか、将来失明するとか言われて。OCの場合だと、将来子供ができなくなるとか。それってそもそも使い方が間違っています。もともと排卵がない人が、楽だからといって35歳までOCを使い続けたあとでやめても子供なんてできるわけがないんです。だからちゃんと安全に使っていけば別に怖がることのない薬なのでもうちょっと普及してほしいですね。 |
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先日、セミナーでなるほどと思ったんですが、イギリスだと4周期分くらいを若い子達にタダで配布するそうです。それで飲んでみて良かったら続ければいいという風に普及させています。OCは実際、副作用も心配するほど出ないので、とりあえず使ってみると便利な薬なんですよね。 |
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大塚:OCは決まった時間に飲むというじゃないですか。少しでもずれたらダメですか? |
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先生:OC服用に関しては若干のずれがあっても大丈夫です。丸一日までは大丈夫といわれますが、それでも決まった時間に飲んだほうがいいです。不正出血があったりすると病気じゃないかとか、避妊効果は大丈夫かとか、誰でも思いますよね。安心のために飲むんだから不安なことはしないほうがいいですね。 |
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大塚:OCを飲み続けていて、その効果がなくなることもあるんですか? |
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先生:たとえ長期間飲み続けても体が慣れて避妊効果が減少することはありません。でもOCは月経痛等の治療目的に使われることもあります。月経痛の患者さんに関しては、機能性の月経痛と子宮内膜症という病気が混在している場合があります。機能性の月経痛とは、子宮がまだ未熟だったり、子宮の収縮力が強くて痛みが出たりするもので、体調によって波があります。子宮内膜症というのは年とともに少しずつ悪くなる病気です。若い20歳前後の方だと各々がどのくらいのウエイトを占めているかわからないので、痛み止めやOCを使っているうちに効かなくなることもありますが、それは病気が少しずつ進行しているために薬が効かなくなるわけで、決して痛み止めやOCを使い続けた結果ではないんです。 |
また、私は、将来子供が作れなくなるのが心配なら、急いでOCを飲む必要はないと思います。基礎体温をつけて自分の体をわかった上で、排卵がないなら治療が必要になる可能性もあるので35歳まで飲まないでおこうとか、ある程度の年齢で子供をつくるようにやめようとか、理解して服用することが安心してOCと付き合える方法だと思って患者さんにおすすめしています。 |
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大塚:生理がちゃんと来る人と不順の人とでは、やっぱりちゃんと来る人の方が妊娠しやすいですか? |
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先生:月経がちゃんと来ていても排卵がないという方もいますし、きちっと排卵をともなった月経なんだけれども45日なり60日なりに一回しかないと年間の排卵回数が減るので、当然妊娠する機会は少なくなりますよね。 |
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大塚:排卵のある生理とない生理の見分け方はありますか? |
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先生:出てきた血に聞いてみるわけにもいかないので、やはり基礎体温をつけないと分からないですよね。排卵日に体温が上がるようであれば大丈夫でしょうね。それでもし軽い排卵障害があったとしても、簡単に治療できるレベルだと思います。 |
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大塚:今は少子化で、子供を作らない人が多いですよね。子供を生まないと病気になりやすいというのは本当ですか? |
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先生:排卵する卵はおなかの中で個数が決められていますが、子供作るときは、妊娠中と赤ちゃんを産んだあとのしばらくは排卵が起こらないのでその間卵巣を休ませることができます。一方、子供を作らずに排卵し続けるとそれなりに卵巣が異常を発生したりするリスクは増えますね。それから子宮内膜症なども女性ホルモンによって少しずつ悪くなる病気なので、少しは休ませてあげたいですね。 |
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大塚:ちょうど先月胸がすごく痛くて、そういうのも何かつながりがあるのかなと思っても、どこで見てもらえばいいか分からなく、婦人科でもいいんですか? |
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先生:もちろんいいですが、専門的にはおっぱいは乳腺外科になります。これまでは産婦人科で乳がん検診などをやっていましたが今は2分化されてきています。そういった点でも婦人科を受診されると、じゃあ、今度ここへ行ってみてくださいというように交通整理的なこともしてくれます。病院によってはおっぱい用のエコーを持っていたり、マンモグラフィまで設置しているところもあります。単におなかが痛いときでもとりあえず行ってみるとか、婦人科は本当に便利ですよ。 |
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大塚:母が更年期障害になったときも婦人科へは行かなかったと思いますが、そうなったときに相談してもいいんですか。 |
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先生:うちはとても多いです。婦人科は決して敷居が高いところではないですから。更年期外来という風にかかげているところであれば、更年期の方への治療を専門に診ているはずですからそこを受診されればいいと思います。 |
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大塚:わかりました。婦人科と仲良くなっていると、これから先もずっと心強いということですね。先生、よろしくお願いします! |
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