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最近では、1人の女性が一生のうちに出産する子供の数が年々減少しています。
そのような現代社会において、年間に約900人もの赤ちゃんを取り上げているクリニックがあります。
実際に出産された多くのお母さんたちをみていらっしゃる鈴木先生に産後のファミリープランニングについてお話を伺いました。 |
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| 理事長: 鈴木英夫 先生 |
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★年々、出生率が減っていますが、みなさん何人ぐらいのお子さんを出産されていますか?
鈴木先生:そうですね、当クリニックでの年間の出産数は今いわれたとおり年間900人ぐらいで、多い月だと100人近くの赤ちゃんが誕生しています。日本全体では一人の女性が生涯に産む子供の数をあらわす合計特殊出生率は2005年にはついに1.25まで減少しました。三重県では全国平均よりやや高く推移しています。この地域では一人っ子はほとんどいなくて、多くの方が2~3人のお子さんを出産します。お母さんの年齢としては10~40歳代とさまざまですが、20歳代後半が多いですね。 次のお子さんを出産されるまでの間隔は、早い方では年子で2人目、3人目と続けて出産される方もいますが、上の子が6~7歳になってから次の出産をされる方もいらっしゃいます。産後は子育てにかなりおわれるので、せめておっぱいをあげ終わって、ちょっと落ちついてから次の子をと考えるご両親が多いようです。 従って、多くの方は数年の間隔をあけて次の妊娠・出産をされます。しかし、実際のところ、1人目を出産後すぐには欲しくないけど、避妊をきっちりしようという意識は残念ながら薄いような気がしますね。 |
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★赤ちゃんにおっぱいをあげている間は妊娠しないと聞いたことがありますが。
鈴木先生:そうですね、そう思っている方も多いと思いますがそんなことはないですね。おっぱいをあげているお母さんでも3~6ヵ月ほどで月経が再開しますし、授乳していないお母さんでは産後2ヵ月ほどで月経が再開します。月経は排卵があって起こるので、避妊は月経が再開する前から必要なんですね。排卵がいつ起こるかということはわからないので、次の妊娠まで期間をあけたい方は産後最初の性交から避妊が必要なんですよ。
★そうなんですか、知りませんでした。
鈴木先生:妊娠の前期と後期に1回ずつ両親学級を開いていますが、そのときにはお母さんや赤ちゃんのカラダのこと、赤ちゃんのお風呂の入れ方などのほかに、避妊についても書かれたテキストを渡しています。1ヵ月検診のときにもお話していますね。 |
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★「避妊」という話題は結婚前の問題という意識の方が強いかもしれません。結婚したら、子どもができたら産めばいいかなといった感覚でしょうか。お仕事を持っているお母さんではこれからのキャリアを考えて「産み時」というのは意識するかもしれませんが、だから「避妊しよう」とはなかなかならないと思います。
鈴木先生:お母さんを取り巻く環境をみると、助産師、学校、保健センターの母親学級、予防接種で行く小児科など色々あるようですが、30分程度の時間をとって避妊などのプライベートな部分も含めて相談する施設を探すのは難しいようですね。
普通の奥さんお母さん方の話の中で「避妊はどうしているの?」とは、聞きにくいものです。よっぽどの親友なら別でしょうが、気軽に相談しにくい日本の環境では、お産を通じてコミュニケーションができている出産したクリニックが相談しやすいようですね。 |
★夫婦の間でもすぐには次の子どもは欲しくないけど、だから避妊はどうするという話にはならないですね。
鈴木先生:出産後、お母さんの方は体力の回復時期でカラダは辛いし、その上赤ちゃんの世話で毎日大忙し。なかなか余裕が持てない時期ですからね。
産後の避妊に対する認識が低い現状で、起こる結果は分かりきってますよね。残念ながら出産に負けないくらい中絶手術が多いのが現実なんです。性交の若年化、長期化などで妊娠する機会は昔より増えているのに、出産数が減るということは、望まない妊娠をしてしまう人が多いということでしょう。中絶はされる女性にとっても、医師にとっても嫌なものです。実はお産の経験がある女性の中絶は決して少なくないんです。両親学級や産後1ヵ月検診では赤ちゃんの方に目が行きがちですが、避妊についても快適な夫婦生活のために是非考えていただきたいですね。 |
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★そうですね。ただ、避妊法といって思い浮かぶのはまずコンドームで、最近はOC(低用量経口避妊薬:ピル)というのも女性誌などでみますが、産後に適した避妊法は何なのでしょうか。
鈴木先生:理想的な避妊法というのは避妊効果が高くて副作用が少なく、使うのを止めれば妊娠できるようになることですね。また、赤ちゃんの世話で忙しいお母さんたちにとっては、手軽なことも重要かもしれません。でも、残念ながらこれら全ての条件を満たす避妊法というのはありません。手軽でよく使われているコンドームは装着のタイミング、破損、着脱などによる失敗などが多くて避妊法としては効果が低く、避妊というよりは性交によって感染する性感染症の予防で使うものです。パートナーが確立された性感染症のリスクが低い夫婦間で使用する避妊法としては適さないですね。OCは授乳中は使えませんし、毎日の飲み忘れにも気をつけなくてはいけないので、忙しいお母さんには面倒かもしれません。その点、IUD(子宮内避妊用具)は産後のお母さんにあった避妊法だと思います。 |
★IUDというのはどのようなものですか? |
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鈴木先生:現在日本では数種類のIUDが販売されていますが、これはT型のIUDです。こういったものを子宮の中に入れるだけで避妊ができるんですね。昔は丸いリング状のものだったので「リング」と呼ばれていました。「リング」といえば多くの女性が知っているのではないでしょうか。IUDを入れた後は定期検診を受けるだけで、最長5年間まで避妊ができるものもあります。さらに避妊効果も高いんですよ。コンドームのように性交のたびに手間がかからないですし、OCのように毎日飲むのを忘れてしまうというリスクもなく授乳中でも使えるので、赤ちゃんの世話におわれる忙しいお母さんにはピッタリの避妊法ですね。1度入れるだけで年単位で避妊ができるのはお得な感じもあるようですよ。また妊娠したくなったら医師によって取り外してもらえば、入れる前の状態に戻るので妊娠が可能となります。 |
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★子宮の中に物が入ると思うと、副作用はないのかなと気になるのですか。
鈴木先生:昔は、出血が長引いて月の半分ぐらい出血しているといわれた方もいましたが、今は、月経の量が少し増えたり、長引いたり、腰痛、疼痛のある方が時々いらっしゃるぐらいで、私の経験ではそんなには多くないですね。それ以外にはほとんどないですね。
★本当にこれを入れるだけで避妊ができるのかなと思ってしまうのですが。コンドームとかつけなくても大丈夫なんですか?
鈴木先生:そう質問される方は多いですね。やっぱり自分の目でみえる物の強さですかね。IUDを正しく使った場合の1年間の失敗率は0.1~2.0%と避妊手術と同じぐらいの避妊効果があるんですよ。ですから、性感染症のリスクがない夫婦間であればコンドームを使う必要はないですね。
産後の避妊方法としては、利便性、安定した避妊率、経済性や持続性などをポイントにして考えてみてはいかがでしょう。 |
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★実際にIUDを入れるときは痛くないのでしょうか?
鈴木先生:痛がる方はほとんどいません。昔のものに比べてスリムな設計になっているので、入れやすく麻酔の必要もありません。消毒をしてからIUDを挿入して、その後は超音波できちんと入っているか確認する程度ですから全体でも数分以内で終了します。血液検査など特別な検査は必要ないです。IUDを入れた日はお風呂はダメですが、シャワーならOKです。
★意外に簡単なんですね。痛みがほとんどないというのも驚きです。IUDを入れた後は定期検診が必要といわれましたが、どのくらいの期間で受ければいいのでしょうか?
鈴木先生:入れた後の最初の月経の後と3ヵ月後、1年後には検診を受けてください。それ以降は1年に1度受けるだけです。ですので、子宮がん検診などの婦人科検診と一緒にみてもらったり、自分やお子さんの誕生日など忘れにくい日を決めて受けたりするといいでしょう。検診では超音波でIUDがきちんと入っているかの確認と月経の様子やおりものの状態などをお聞きするぐらいですので時間がかかることもありません。
「IUDが作用する仕組み」 http://www.femalelife.jp/iud_frameset.html |
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★IUDは子宮の中にものを入れるので、とても大変なのではとの先入観がありましたが、そんなに身構えることはないんだなと思いました。
鈴木先生:出産後はどうしても赤ちゃん中心の生活になってしまいますが、快適な夫婦生活には避妊も重要です。妊娠、出産、そして産後のファミリープランニングについて、ライフスタイルにあったものをもう一度考えていただけたらと思います。
★鈴木先生、今日は貴重なお話をありがとうございました。
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