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大野:2年前に気になることがあって、はじめて婦人科を受診しましたがそのときの印象がとても悪かったのです。自分なりに調べて思い切って飛び込んだら、カーテン一枚で仕切られた診察室で看護師さんがパタパタ歩いていて。応対も事務的で流れ作業みたいに診察、こちらが聞きたいことも聞けないままに終わってしまいました。でも、今回こちらに伺ってみてあんまりキレイなのでビックリ。私の婦人科イメージとは大分違うので驚きました。 |
酒井先生:とにかく婦人科というと敷居が高いというイメージがあるようなので、清潔感があってキレイなクリニックにしようと、女性の設計士と相談しながら作りました。診察をスムーズに進めるために、まず女性の看護師から問診表を患者さんに渡して記入してもらっています。新しいお薬を使うときなどにコーディネーターが説明するためのカウンセリングルームも作り、セラピストによるアロマセラピーや3D超音波の立体画像もそこで撮るなど、多目的に使用しています。
大野:婦人科でアロマセラピーがあるというのも新しいですね。
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酒井先生:セラピストの先生と相談しながら去年から始めました。統合医療の一環としてアロマセラピーによるメンタル面でのケアもプラスすることで、医療との相乗効果が期待できます。メンタルが原因で月経前症候群(PMS)や月経不順が起こることもありますので、リラックスできる環境をつくることも大切だと思いました。
大野:心をリラックスさせて症状を和らげるということですか?
酒井先生:そうです。月経前にはイライラしたり、眠くなったり、不安なったりする方も多いですから、症状にあわせたアロマを選んでもらってリラックスした上で、治療していけばより効果的だと考えています。 |
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大野:月経前症候群(PMS)についてですが、言葉を耳にしたことはありますが詳しく知りません。それは婦人科系の病気なんでしょうか?
酒井先生:病気というより体の状態ですね。月経前の激しいホルモンの変動に体がついていけなくなるといろいろな症状が出てきます。身体的には腹痛、頭痛、吐き気、下痢などがあります。精神的には、不安、落ち込み、うつなどです。人によって様々ですが、月経が来ると治ってしまう人が多いですね。逆に月経が始まってから腹痛や頭痛、下痢などがひどくなる人は月経困難症といいます。
大野:月経前症候群(PMS)と月経困難症と両方ある方もいますか?
酒井先生:そういう人もいますね。
大野:私の場合、下痢がひどかったり、イライラしているなと思うと月経前だったりします。最近では胸の張りが気になって、特に去年の終わりくらいから胸の張りと痛みが急にひどくなったんです。それまでは月経が来ると楽になるので気にしませんでしたが、今は満員電車で押されても、歩く振動でさえ痛みを感じます。 |
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酒井先生:月経前には黄体ホルモンが多く出るので胸が張ることがあります。そうしたことも含めて月経前症候群というのはいろいろな症状が出るのが特徴です。月経は毎月起こるわけですから月の3分の1は調子が悪いということになるとQOL(生活の質)も下がります。実際にそういう患者さんは多く、4割から5割くらいを占めています。ホームページでも、月経トラブルの緩和に力をいれていると告知しているためかもしれませんね。
大野:私は、月経前症候群(PMS)という名前は知っていても実際に医者にかかっていませんでしたが、他の方には知られつつあるのですね。
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酒井先生:最近ではそうした関連の漢方の本なども出ていますし、こちらでも月経前症候群(PMS)についてのパンフレットを置いていますが、自分で何の病気かよく分らないという人は結構いるとは思います。もちろん来た方には説明しています。
大野:月経前症候群(PMS)の症状が年齢によって変化していくことはありますか?
酒井先生:更年期の年齢になってくると月経とは関係なく、火照りを感じたり、汗をダラダラかいたりしますが、20、30代の方はさきほど説明したような症状が中心です。 |
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大野:こういう症状なら大丈夫とか、こういう場合は受診した方がいいとか、婦人科を受診する際の判断基準みたいなものはありますか。
酒井先生:とりあえず出血があったら行くべきでしょうね。そして子宮がんの検査をする方がいいでしょう。何もない場合でも年に1回は子宮がんの検査をしてほしいです。出血は、ホルモンのバランスが崩れたときや排卵の時期に起こることもあります。子宮がんは急激に悪くなることはありませんから、毎年検査をやっていれば、ちょっと心配な出血があってもまず子宮がんではないだろうと自分である程度判断できます。 |
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大野:何歳くらいから検査を受けた方がいいんですか?
酒井先生:子宮頸がんの場合、パピローマというウイルスが原因のひとつであることが分かってきています。これは性交でうつることがあるので、性交のある方には年に1回の検査を勧めています。ただ、パピローマウイルスはあくまで原因の一部なので、性交のあるなしと子宮頸がんの可能性のあるなしというのは別です。ということで、どんな人でも20歳を過ぎた頃から年に1回の検査を勧めています。どうして年1回の検査が必要かというと、子宮がんの手前で異形性という前がん病変の段階があります。この段階で見つかれば子宮を取らないで済みます。卵巣がんの場合は少し違いますが、子宮がんの場合は早めに見つければ治りますから、毎年の検査が大切なのです。
大野:毎年子宮がんの検査をしていれば、それ以外の検査はしなくても大丈夫なんですか?
酒井先生:子宮筋腫や卵巣嚢腫は超音波で見れば大体分かります。腫瘍がある場合は腫瘍マーカーという血液検査をします。詳しく見たいときはMRIやCTで断層写真を見ればいいでしょう。まあ、子宮がんと超音波の検査を年一回やっておけば婦人科系はほぼ安心だと思います。
大野:そういう検査は気軽にできるものですか?たとえば今日来てすぐにしてもらいたい場合でも可能ですか。 |
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酒井先生:予約がなくても、月経痛で来院したときに子宮がんの検査や超音波で子宮と卵巣を診ておきましょうと言うこともあります。子宮内膜症が原因で起こる月経痛の場合もありますが、それも内診や超音波である程度わかります。しかし内診に抵抗がある方もいますから、無理には勧めません。
大野:OCを希望する場合も内診は必要なこともありますか。
酒井先生:OCを処方するのに内診が義務化されているわけではありません。ただOCもホルモンですから、子宮頸がんとの関係もあるので子宮がんの検査は年1回してもらいたいです。逆に子宮体がんと卵巣がんに関しては、OCを飲んでいる方がかかる人が少ないと言うデータもあります。
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大野:私もOCへの抵抗は多少あります。私よりも夫の方が抵抗は強いです。OCに興味があって一度夫に相談してみたら、OCと聞いただけでそんな副作用があるもの飲むなと言われて終わりでした。私はいろいろ調べて昔と今は違うと思いましたが、男性の理解はまだ足りないみたいです。
酒井先生:実際、お父さんや彼氏になんだコレはと言われてやめてしまう方もいます。結局、OC=不健全みたいなイメージが根強いようです。 |
それからホルモンを飲むと体に良くないと考えている方もいます。
男性は女性のつらさが分からないからOCへの偏見も強くなって、それが女性にも影響しているということもあるかもしれません。今後はホームページにも実際にOCを飲んでいる人のコメントなどを載せて、OCのメリットが分かり易いようにしていこうと思っています。 |
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大野:私の場合、程度によりけりですが、月経のトラブルは我慢して当たり前みたいな感覚があります。また、OCを飲みたいという明確な希望もなく、婦人科に行くきっかけがつかめないというところもあります。はっきりと調子がおかしいと思えば駆け込みますが、ただ月経痛がひどいだけだと我慢すればいいやと思ってしまいます。 |
酒井先生:普段何も問題なく過ごせる方はいいですが、月経のトラブルでもそれ以外でも生活や仕事に支障があるようでしたらとりあえず婦人科を受診してみることです。婦人科でできるような治療なら一緒にしていけばいいし、婦人科以外の原因があれば、内科なら内科、耳鼻科なら耳鼻科を紹介します。婦人科の担当かどうか分かりませんがとりあえず相談に来ましたという方もたくさんいますよ。
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大野:ただ相談するだけでもかまわないんですね。そういう意味ではかかりつけとして気軽に行ける酒井先生のような婦人科の先生を持つことも大切ですね。健康診断などもかかりつけを見つけて一貫して診てもらった方がいいのでしょうか?
酒井先生:健康診断も全然かまいませんよ。会社で行われている健康診断や人間ドックでも婦人科検診はしているはずだから、そういうところでしてもかまいません。こちらでもある程度コミュニケーションが取れてくると、じゃあ今度子宮がん検診をやりましょうか、というとしていく人もいます。
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大野:かかりつけのお医者さんから見て理想的な患者さんというのはどんな方ですか?
酒井先生:やはり自分自身でも勉強している方でしょうか。たとえば月経痛や月経前症候群(PMS)がひどいから、OCや漢方がいいと聞きましたがどうなんですか?と患者さんから聞かれたりすると、こちらも話を進めやすいです。子宮がんも心配だから検診もしておいた方がいいでしょうかとか、自分の体への意識が高い方とはコミュニケーションが取りやすいです。
大野:勉強するということは、自分の体を知ってコントロールするという意識を持つということですよね。 |
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酒井先生:それでちゃんと分かっていれば、我慢しようという結論にはならないでしょう。最近では、インターネットで見て来たという方は多いですね。勉強していない人は毎月つらい思いをしても我慢して終わってしまうわけですから、それは損ですよね。
大野:私の母が子宮筋腫になったことがあって遺伝すると聞いたことがありますが大丈夫でしょうか。実際、子宮筋腫の検査はどんなことをするのですか?
酒井先生:検査は内診か超音波を使って行いますが、超音波がいちばん分かります。子宮筋腫は40代の方で3、4人に1人いると言われているくらいポピュラーです。30代後半の方は子宮がん検診と超音波をセットでやるのが理想ですね。
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大野:セットで検査すれば子宮筋腫も見つかるということですね。子宮筋腫に対してはどんな治療法がありますか?
酒井先生:昔は筋腫があるとすぐに取りましょうと言われましたが、最近はいろいろ選択肢が増えて、早い段階で見つかれば筋腫=手術ではありません。そういう意味では年1回はチェックした方がいいです。
ともかく我慢しないことです。今は対処法も様々なものがありますから、相談しながらやっていけます。まずは気軽に来てください。
大野:もっと早く先生みたいな方に出会っていればよかったです。今日はありがとうございました。 |
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