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濱中:実は4年ほど前に子宮内膜症と診断されました。今は仕事もハードなので、これからどうやって子宮内膜症とつき合っていけばいいのか心配しています。
荘田先生:今までに子宮内膜症の治療を受けたことはありますか。
濱中:半年間月経を止めるという治療のために、1ヶ月に1回注射をしていました。その治療を受けた後、一時的に月経痛は良くなりましたが、ストレスが溜まるにつれて、まただんだん痛くなってきました。
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荘田先生:まず、子宮内膜症とはどんな病気かと言いますと、子宮以外のところに子宮内膜の組織ができた状態をいいます。それが子宮の筋肉の中にできると子宮腺筋症といい、子宮自体が大きくなって月経の量が増え、月経痛も強くなってきます。また、子宮内膜の組織が卵巣の中にできると、卵巣から毎月月経のような出血が起こります。そうすると古い血液が溜まってチョコレートのような内容物が出てきます。これをチョコレートのう腫といいます。もう一つ、子宮と腸の裏側に子宮内膜が癒着して、ひどい月経痛と性交痛を招くことがあります。これらが子宮内膜症と呼ばれるものです。
濱中:子宮内膜症にもいろいろなタイプがあるのですね。治療方法としてはどんなものがありますか。
荘田先生:子宮内膜症の治療にはいくつか方法があります。まず薬物療法があります。たとえば月経痛がひどいときに、痛み止めや精神安定剤を使ったりする方法です。漢方薬も多少効果があります。他にはホルモン薬もあります。以前、濱中さんが半年間月経を止めたのは偽閉経療法といって、卵巣から出てくる女性ホルモンを遮断して、子宮内膜の組織を萎縮させる方法です。もう一つ偽妊娠療法といって別のホルモン薬を使う方法があります。偽閉経療法ほどの効果はありませんが、副作用の少ない治療法です。偽閉経療法を使うと更年期のような症状が強くなって、ほてりや、のぼせ、あとは骨粗しょう症や腰の痛みが少し出たりします。偽妊娠療法だとそこまで子宮内膜を萎縮させることはなく、現状のまま維持したり、チョコレートのう腫のような腫瘍を少し縮小させたりすることができます。
濱中:私がその偽閉経療法の治療を受けたときも、まず骨密度が下がりました。
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荘田先生:典型的な副作用ですね。若い方であれば治療をやめて数ヶ月経つと、自然と骨密度は元に戻ります。若い方に対しても、偽妊娠療法の方が心身への負担も少なく、コストも安いので良い場合もあります。もちろん最終的には手術療法もあります。現在よく行われているのは腹腔鏡下手術で、おへそのところからカメラを入れてモニターを見ながら、癒着がある場合は癒着をはがしたり、卵巣が腫れていたら卵巣のう腫を摘出したりします。
濱中:私の場合は、筋肉の量が減ったり、ひどいうつ状態が続いたりする副作用が強かったので、途中で偽閉経療法をやめてしまいました。それ以来、子宮内膜症の治療はしていません。
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荘田先生:この治療では、卵巣から出る女性ホルモンが遮断されて出なくなります。その結果、先ほど言ったように、神経関係の、ほてりとか、のぼせとか、あとはイライラするとか、眠れないといった更年期障害に似た症状が出てくることがあります。
濱中:本当に大変で、つらかったです。
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荘田先生:濱中さんが子宮内膜症だと分かったきっかけは月経痛ですか。
濱中:いいえ、月経ではないときに突然おなかが痛くなりました。あと、普段から月経のときにおなかを下すことがありました。 |
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荘田先生:それは子宮内膜症ではなくてもよくあります。月経の影響を受けて、始まる前から少し下痢っぽくなる方がいます。子宮が収縮すると腸にも影響がありますし。また、子宮内膜症は、癒着などによる痛みが月経時でなくても出るときがあります。癒着している場合、体内で腸の動きが活発になったりすると痛みが出てきます。お腹をこわしているときなど、腸の動きが早くなって痛みが強くなります。ところで、子宮内膜症といわれたときの診断はどのようなものでしたか。たとえば卵巣が腫れているとか、子宮が大きいとか言われましたか。
濱中:子宮の片側が腫れていると言われました。
荘田先生:あとは子宮の動きがちょっと悪かったり、癒着があったりしましたか。
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濱中:癒着はありませんでした。子宮の動きについても特に言われませんでした。超音波写真を撮ったときに片側だけが黒くなっていて、これは腫れているためだと言われました。
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荘田先生:黒く腫れているというと卵巣のほうが少し腫れていたのでしょう。それはいわゆるチョコレートのう腫です。卵巣の中に古い血液がたまっているために片方がちょっと腫れるわけです。
濱中:内膜症の中ではチョコレートのう腫の方が多いのですか。
荘田先生:子宮が大きいけれど、卵巣はなんでもない方もいます。あるいは卵巣が腫れていても、子宮には異常がない方もいます。そういった症状がひどくなると骨盤の中に1つの塊のような感じで癒着していて、子宮が動けなくなっていることもあります。1つの塊になってしまうと性交痛もひどく、不妊症の原因にもなります。
濱中:私は腹痛が原因でしたが、月経痛が代表的な兆候ですか。
荘田先生:そうですね、子宮内膜症の自覚症状としては月経痛が強いという方が多いです。強い月経痛と性交痛がある場合があります。特に癒着があるときは、性交痛が強くなります。チョコレートのう腫の場合は、周りに引っ付いていることが多く、その癒着によっておなかの痛みが出てきます。
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濱中:子宮内膜症でなくても月経痛がひどい人もたくさんいますよね。
荘田先生:月経に関しては、体質的にどこかに異常があるなどして、特に子宮内膜症や子宮筋腫ではなくても月経痛が強くなることもあります。実際に病変がなくても痛みには個人差があって、昔は、痛みは我慢しなさいといわれることが多くありました。また、我慢すればするほど痛みを感じにくくなって痛みに強くなります。昔はそういう風に考えられていました。しかし現代では、生活リズムや仕事のことを考えるなら痛み止めを使ってもまったく問題ないと考えられています。もし子宮内膜症が原因の場合でも、子宮内膜症に対する治療をすれば月経痛も軽くなっていきます。 |
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濱中:子宮内膜症であることに早く気が付いて、早く治療をした方がいいということですか。
荘田先生:そうですね。もしも内膜症があったら、これからどのような状態になっていく可能性があるか、ということは話します。その後どうするかは本人の選択です。治療法にもいろいろありますから。ただ、治療をしたとしても、子宮内膜症は再発しやすいので、そこが問題です。
濱中:再発を防ぐにはどうしたらいいですか。
荘田先生:子宮内膜症に関しては原因自体がまだよく分かっていないのです。生まれつきの体質によるものや遺伝性という原因も多少は考えられると思いますし、その中で再発を防ぐ手段を見つけるとなると、難しいと思います。 |
濱中:母が子宮内膜症だったと聞いたことはありません。私は以前、月経痛もほとんどなかったのですが、あるときからだんだん痛いと感じるようになりました。
荘田先生:子宮内膜症やチョコレートのう腫があっても、自覚症状がない方もいます。たまたまおりものが気になって検査をして分かる方もいます。でも、やはり自覚症状は月経痛が多いですね。
先ほども言いましたが、子宮内膜症は繰り返し起こります。半年間、偽閉経療法を行うと、その間は楽になります。半年の治療を終えてからだいたい2ヶ月後に再び月経が始まり、最初は軽くなると思いますが、だんだん元に戻っていきます。それを繰り返すことが多いです。
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濱中:こちらのクリニックにも子宮内膜症の患者さんは多いですか。
荘田先生:はい、少なくありません。
濱中:その人の年齢によって治療法も変わりますか。
荘田先生:そうですね、例えば 47、8歳くらいの方で自然に月経がなくなった方は女性ホルモンも少なくなり、子宮自体も小さくなっていきます。そうすると卵巣のう腫なども縮んでいきます。
濱中:では、更年期になると、子宮内膜症の治療をしなくてもよくなる場合が多いのですか。 |
荘田先生:それでも痛みが強い方は治療が必要です。また、20代の方で手術を考えている方でも、やはり偽閉経療法を半年行ってから手術をすることが多いです。そうすると癒着したところが手術のときに、はがれやすくなります。
濱中:薬等で痛みを押さえられれば、そのまま共存していくような形でもいいのですか。
荘田先生:内膜症は腫瘍ではありませんからね。偽閉経療法による半年の治療をした後、子宮内膜症が一番小さい状態を維持することも可能です。
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濱中:最近、子宮内膜症の方が増えているという話を聞きますが。
荘田先生:昔は病院へ行かずに我慢していた、だから内膜症があったとしても分からないままだった、という可能性も考えられますが、たしかに子宮内膜症の患者さんは増えています。
濱中:昔の人は本当に我慢強かったのですね。
荘田先生:そうかもしれませんね。でも、我慢して治療をしないと、癒着がひどい場合は不妊症の原因にもなるので注意が必要です。
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濱中:それは困りますね。私は今27歳で先も長いので、今後の治療としてはどう考えればいいでしょうか。
荘田先生:今のところ妊娠の予定がなければOCで避妊をして、その副効用である月経痛を緩和する効果を期待するという方法が良いと思います。副作用については、OCを飲んでいる方の中には吐き気を感じる方もいますが、少しずつなれていきます。
濱中:日本で認められているOCの種類は少ないと聞きました。アメリカなどでは種類もたくさんあって、その人に合わせていろいろ変えることができると聞いたのですが。
荘田先生:いやそんなことはありません。いま日本でもOCの種類はたくさんあります。大きく分けると一相性と三相性があります。一相性というのは、毎日飲む錠剤のホルモン量が変わらないタイプのものです。三相性というのは、もともとのカラダのホルモンのリズムに合わせるというコンセプトで作られていて、ホルモンの量が3つの段階に分けられているタイプです。もちろんどちらも避妊効果は100%に近いです。
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濱中:子宮内膜症とうまく付き合うには、自分にあった治療法を見つければいいということですね。
荘田先生:もし治したいと思ったら腹腔鏡下で行う手術療法があります。子宮内膜症の腹腔鏡下手術は進んでいますから、ほとんど傷も残りませんし、術後の癒着も少ないです。入院期間も短くて早ければ5日間くらいです。通常の開腹手術の場合は1週間後に抜糸して、1日様子を見て、8日間はかかります。
濱中:傷が少ないぶん回復も早いのですね。どの段階までいったら手術を考えたほうがいいでしょうか。 |
荘田先生:悪性の可能性もゼロではないので、昔は5センチを越えたら手術したほうがいいとすすめていました。今は症状とか、いろいろな検査ではっきりとガンの心配がないようなら、その後は経過を定期的に診ていきます。
濱中:私自身、今は突然痛くなったりすることはありませんが。
荘田先生:あまりにも大きかったり、痛みや症状が強い場合は手術をすすめています。子どもが欲しい方で、いろいろな方法を試しても妊娠しないときには、もちろん内膜症自体も妊娠しにくい一つの原因ですから、そういう場合は不妊症の検査をする中で、最終的に腹腔鏡下でお腹の状態を見るときに子宮内膜症の治療をしたりします。
濱中:月経1日目には強い痛みを感じますが、そのときに鎮痛剤を飲んでも遅いので、月経が来そうな時期に合わせて飲んでいます。だから突然痛みを感じることはなくなりました。あの注射のときのブルーな状態を思えば、痛み止めだけでおさめるほうが良いです。
荘田先生:それなら、先程言ったOCをうまく利用するという方法がやはり良いかもしれませんね。
濱中:検討してみます。あと、現代の女性には子宮筋腫も多いと聞きますが、どうなのでしょう。 |
荘田先生:子宮筋腫の場合は遺伝性がありますし、30代になったら10人中3人くらい筋腫を持っているという風に言われています。
濱中:そんなに多いですか。
荘田先生:でも、筋腫があるからといって、治療しなくてはいけないわけではありません。できた場所や大きさによって、そのまま放置してもいいのか、早めに治療しなくてはいけないのかが決まります。
濱中:筋腫は内膜症ほどの辛さはないのですか。例えばひどい月経痛があるなど。
荘田先生:それはあまりないですが、逆に過多月経になることが多いです。経血の量が多くなって、出血がダラダラ止まらないとか、そのせいで貧血になるなどします。
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濱中:最後に、子宮内膜症を悪化させないために生活上で注意することはありますか。
荘田先生:例えば、昔と比べて現代の食生活は変化していますが、それが子宮内膜症の原因かどうかわかりませんので、これは難しい質問です。ただ、日常的に婦人科医に相談する癖をつけておくのは良いと思います。
濱中: 子宮内膜症について詳しく知ることができ、今日はとても勉強になりましたし、心配もなくなりました。そして自分で少しでもおかしいと思ったら早めに受診することが大事だということですね。どうもありがとうございました。
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