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>>こちらのクリニックをオープンされてから2年ということですが、どのようなコンセプトではじめられたのですか。
北野原先生:女性にとって婦人科への通院は必要なのに、一番受診しにくい科だとみなさんおっしゃいます。内科には風邪などで気軽に受診できるのに、女性特有のトラブルが生じても婦人科受診には抵抗があるようです。そういう心の垣根を少しでも低くしたいと思いました。また、働く女性が増え、仕事のためになかなか受診することができませんので、当院では診療時間を一般的な診療時間から大幅にずらしました。働く女性が受診しやすいよう、昼休みにあたる12時から14時までの間と、夕方仕事帰りに立ち寄ることができるよう16時から20時(受付は19:30まで)まで診療しています。 |
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>>働く女性には、とてもありがたいですね。
北野原先生:それから患者さんの不安を少しでも和らげようとデザインやインテリアにもこだわりました。様々な悩みを持つ患者さんがいらっしゃいますので、待合室では視線を気にしなくてもいいように、患者さん同士はもちろん、受付スタッフとも目線が合わないよう設計されています。
また、待合室で多くの患者さんが待つことがないように、インターネット予約システムを導入するなどして、待合室に患者さんがあまり同時にいないようにしています。
>>いろいろ細やかな配慮をされているのですね。
北野原先生:みなさんいらっしゃるときには緊張しています。ですが、お帰りになるときはリラックスして帰ってもらいたいというのが私の一番の願いです。
初診の方の場合、一人ひとりの話をじっくり聞く努力をしています。ですから、初診のときは診察時間が長めになります。その分2回目以降は短い時間で済むことが多くなります。
>>患者さんからすれば、しっかりと話を聞いてもらえるわけですね。
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北野原先生:診察内容にもよりますけど、例えば、おりものの悩みでしたらそれほど時間はかかりません。しかし月経の悩みや不妊などの悩みは長い時間をかける必要があると思います。うつ症状など精神的な悩みを抱えて来る方にも多くの時間が必要です。お互いの信頼関係を結ぶのに大事な時間だと思います。
当クリニックではプライバシーを重視して診察側スペースに患者さんはいつも1人だけです。私と患者さんがお話をする診察室、内診台、診察台があるこの空間の中には常に患者さんは1人しかいないようにしています。つまり、1人の患者さんがお帰りになってから、はじめて次の患者さんを診察室に案内するわけです。 |
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>>一人ひとりの患者さんにとても長い時間をかけるということですね。
北野原先生:最初患者さんは、気持ちの上で硬くなっていますし悩みも多いです。他の病院の先生に言われたことを冷たい意味にとってしまっている患者さんも多くいます。それを、じっくり時間をかけて少しずつほぐしてあげることが大切です。
>>その誤解を解いてあげるのですか。
北野原先生:そうです。たとえば「特に治療の必要はない」と言われ、ご本人はショックを受け他の言葉は耳に入りません。でも、よく聞いてみると、この場合の「治療」は「手術」の意味で、「手術」までする必要はないけれど、今後は様子をみましょう、ということを言われたりしているわけです。
時間をかけてお話できないといろいろと誤解が生じます。
>>ともかく時間をとって患者さんと話をすることが大事ということですね。
北野原先生:でも、今の総合病院の婦人科などは少ない医師と限られた時間の中、とても過酷な状況の中で診療していますのでなかなか難しいことだと思います。私自身、総合病院にいたころは、分娩となる患者がいる一方で、陣痛室にも患者がいて、さらに、午後に手術の予定があって、それまでに外来患者を診るとなると、必要なことだけ言って終わりと言うこともありました。
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>>先生の側も大変なのですよね。
北野原先生:こちらが必要なことを伝えても、患者さんが必要なことをきちんと受け取ってくれるとは限りません。こちらも話す準備が必要なように、実は患者さんにも聞く準備が必要です。その準備の時間をどのように作ってあげられるかが肝心だと思います。 |
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>>先生の細かな心配りは、以前経験された総合病院のような過酷な状況から生まれたのですか。
北野原先生:結局、総合病院には治療レベルでかないませんし、それ以上に当院で同じことをするべきではないと考えています。
当院では子宮がん検査もしますし、子宮がんについて丁寧に説明しますけれど、手術はしません。その必要があれば大学病院や他の総合病院にお願いします。このように守備範囲が違うのです。実は、当初、あれもやろうこれもやろうと思っていたのですが、友人で後輩の医師から「幅広く診療するよりも焦点を絞ってやったほうがいい」と、アドバイスされました。そこで私なりのスタンスを模索して、とにかく働く女性が受診しやすいクリニックをつくろうと思いました。まず、診療時間帯、仕事を持っている方も受診しやすい時間帯にしました。次は場所、通院するのに便利だろうと考え、仙台市の街中に開業しました。
>>これまで診療時間にあわせて患者さんが来ていたのを、こちらのクリニックでは患者さんに診療時間を合わせているのですね。
北野原先生:たとえばショッピングモールに入っている銀行なども遅くまで営業しているわけです。婦人科も同じで患者さんのニーズに合わせて対応していくことが必要です。それを当院が引き受けられればと思っています。
>>インターネット予約も取り入れるなどして、患者さんにとってより便利な工夫をされていますね。
北野原先生:診療スタイルはどんどん変わっていっていいと思います。通信手段もそうです。携帯電話をもっていない患者さんはほんのわずかですから、最初からメールアドレスを伺っています。もちろん事前に許可は取ります。診察してすぐに結果が出るわけではないので、追加治療や治療法の変更が必要なときはメールで連絡をしたりします。メールだと相手が電話に出られない状況でも、必要なことを送信しておくことができます。ただし、万一送信先を間違って送ってしまうと大変なことになりますので、メールに患者さんの名前や病名は決して書きません。もちろん今までそういった間違いは一度もありませんけどね。 |
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>>ホームページから問診表をダウンロードできるのも、どんなことを聞かれるのか事前に知ることができていいと思います。
北野原先生:問診票というのは、患者さんがどんな症状で来院するのかを知ると同時に、当院で行っている診療の情報発信メディアにもなります。たとえば問診票に低用量ピル、緊急避妊、プラセンタ療法という項目を設けておくと、患者さんが事前にそれについて調べてみることもできるわけです。その上で来院してもらうと話もスムーズに進みます。 |
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>>そこまで細やかな配慮があってもまだ婦人科は行きにくいところでしょうか。
北野原先生:そうみたいですね。日本の女性は我慢しすぎていると思いますよ。どうしてここまでなるまで置いておいたの?という印象を受けることもあります。ただそれをそのまま言葉にして伝えると患者さんはショックを受けてしまいます。
>>我慢していたことを責められたような気分になりますからね。
北野原先生:そこが難しいところです。私は、「こんなになるまで頑張らなくても良かったのですよ」と言うようにしています。来てくれただけでもすごいことなのですから。たとえば、うつでどうしようもなくなって来院した人には、「ここまで来てくれただけで大きな進歩ですよ」と言います。本当にひどいときは来ることもできなかったでしょうから、来てくれただけで半分解決しているようなものです。
>>精神科や心療内科ではなく、うつ症状で婦人科を受診する方もいるのですか。
北野原先生:精神科や心療内科を受診している方が、当院で行っている栄養検診のことをネットや口コミで知って来院されることもあります。私は、栄養のバランスとうつが大きな関わりを持っていると考えています。血液検査の結果、どういった栄養状態になっているかを見て、栄養指導をしたりサプリメントを処方したりします。
>>うつと栄養が関係しているかもしれないという話ははじめて聞きました。
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北野原先生:栄養面の見直しというのはすごく大事で、うつ以外でも、様々な体調不良が、栄養の過不足が原因となっています。たとえば、メタボリックシンドローム、あれは石器時代にはなかったもので、現代の食生活が原因となっている病態です。
>>うつ症状では20代、30代の方もいますか。
北野原先生:そうですね、20代、30代の方は多いですね。ちょうどその年代の方のほとんどが、「鉄」が少なくなっています。よくやってこれたというくらい鉄が不足している方が多いです。
>>それは月経と関係がありますか。
北野原先生:当然月経があるうちは、鉄はそれほど貯蓄できません。だからといってこの量はないでしょうというくらいの量です。
>>貧血気味ということですか。
北野原先生:貧血と鉄不足とは微妙な差があります。もちろん貧血で鉄欠乏性貧血になっていれば名前の通り鉄欠乏です。とりあえず血液としては足りているが、貯蔵鉄に相当するものは低い、という場合があります。そのため髪の毛の質が悪くなったりつめが割れやすくなったり、あざができやすくなったりするのですが、鉄分というのはコラーゲンをつくるために非常に大事な栄養素なのでこのようなことが起こります。
>>では美容にとっても大切ですね。
北野原先生:患者さんに、この検査値だったらこんな症状でしょうと、今言ったようなことを言うわけです。すると占い師にぴたっと当てられたような感じで、「先生そうなんです、私、ぶつけた覚えもないのにあざが良くできるんですよ」と言われます。そして「それはコラーゲンの不足だと思いますね」と返す訳です。
>>納得しやすいですね。
北野原先生:そのような会話が一つのきっかけになることもあります。それできちんとした栄養検診を受けてくださったり。とりあえずどんなことをしたらいいのか分からないという方のときは、鉄分とたんぱく質を摂りませんかという話をします。
>>それは女性にとっては大切なポイントですね。
北野原先生:だいたい日本人というのは米を食べていれば満足な民族なので、たんぱく質が不足しがちなのです。朝ごはんも、ゴハンとお味噌汁があれば満足かもしれませんが、これでは不足していますよ。
>>では何を食べればいいのですか。
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北野原先生:私はたんぱく質5品目のうち3品目のたんぱく質を毎食摂るようにお話しています。肉、魚、卵、乳製品、大豆製品のうち、毎食3品。
>>そうしないと不足しますか。
北野原先生:不足します。皆さん不足しています。私もまだ足りていません。いつも食事をチェックして欲しいのです。たとえば、焼き魚と豆腐の味噌汁だとしたら、豆腐と魚は取れているから、あとは食後にヨーグルトを追加するといったように。 |
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>>20代、30代の女性に先生が一番アドバイスされたいことは何ですか。
北野原先生:炭水化物と油を減らしてください。つまり夜寝る前に、お菓子とか、フライドポテト、ポテトチップスを食べたり、せんべいを食べたりとか、それを止めてください。
>>食生活をきちんと見直してくださいということですね。
北野原先生:病気を治すというのはある意味医者だから当たり前なのですが、私の願いはもう一歩先にあって、みなさんが健康になってもらいたいということなのです。
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北野原先生:病気ではないけれど不健康という方は世の中にたくさんいるのです。反対に健康な人でも風邪をひいたり、骨折したりしますが、健康なぶん治りも早いのです。ですから「健康になること」が一番大切と考えています。そのためのお手伝いとして、当院では足りない栄養素を補う療法や、プラセンタ療法、体の中にたまっている有害重金属をとりのぞくキレーション療法などを行っています。
>>病気を治し、さらに病気にならないようにするということですね。
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北野原先生:病気を治すこと自体は一時的には可能ですが、その病気になりやすい状態から抜けだすことは難しいのです。
>>それは体質の問題もあるのでしょうか。
北野原先生:人によってメンテナンスが多く必要な方、それほど必要としない方といるとは思いますが、体質だけですべてが決まるわけではありません。病気にならないよう自浄作用を整えるには食事と運動が大切なのです。たとえば歩く時間を1日20分つくるだけで健康状態は良くなります。食事では、「甘いもの」「脂っこいもの」を控えるようにしましょう。特に夜。我々には「甘いもの」「脂っこいもの」に幸福感を感じるよう、遺伝子にプログラムされています。石器時代は食物が少なく、甘いものや脂っこいものをとにかく食べることが大切でした。しかし食料の豊かな現代の人間も基本的に石器時代の人間と同じ遺伝子プログラムなので、どうしてもカロリー過多になってしまうのです。 |
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>>最後に悩みをかかえる女性たちにメッセージをお願いできますか。
北野原先生:やはり自分だけで悩んでいて欲しくないです。婦人科の病気やトラブルに関する悩みは、どうしてもためてしまいがちだと思います。だからこそ私も気軽に受信できるようなクリニックを目指しています。是非、みなさん。悩みを自分の中にためずに、一度お話をしに来てください。
>>先生のお話でみなさん婦人科へのイメージが大きく変わったと思います。そして病気にならないカラダ、健康をつくるために貴重なアドバイスをいただきました。今日はどうもありがとうございました。 |
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