B型肝炎は非常に危険な肝炎の一種です。肝臓を標的とするB型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされます。
HBVは血液や血液を含む体液を媒介して感染します。血液から血液への接触、コンドームを使わないセックス、違法な薬物注射の使用によって感染するほか、出産時に母体から胎児に感染することもあります。HBVの感染力はエイズウイルスの100倍と言われています。しかし、安全で効果的なワクチンを使って、B型肝炎を予防することができます。ただし、HBVの慢性保菌者(キャリア)に対しては、このワクチンも効果がありません
■症状と解説
健康な成人がHBVに感染した場合、その人の身体はさまざまな反応を示します。HBV感染にともなう症状は以下のとおり。
HBVがまったく症状を引き起こさない確率は約50%
感染者の約49%に発熱や疲労、筋肉痛、関節痛、食欲減退、悪心、嘔吐などの症状がみられる。その多くは自分がインフルエンザにかかったと思いこみ、症状がHBV感染によるものとは考えない
感染者の約90%は抗体をつくり出し、体内から完全にHBVを排除する。ある程度の症状を発症することもあるが、合併症もなく回復する
ごく少数(約1%)のHBV感染者は生命の危険をともなう急性劇症肝炎を発症する。疲労や黄だんで突然倒れたり、腹部に腫れが生じたりすることもある。急性劇症肝炎が突然、急激に進行し、すぐに治療しないと生命に危険がおよぶこともある
成人の感染者の約5%から10%は抗体をつくらず、本人が気づかないうちにHBVの慢性保菌者(キャリア)になることもある。慢性保菌者では、HBVが着実に肝臓を攻撃するため、肝硬変や肝癌などの肝臓病を発症するリスクが上昇する。肝炎が進行し、結果的に肝硬変や肝癌を発症する慢性保菌者(キャリア)が多い
■診断
急性HBV感染の診断は簡単なHBV抗体の血液検査に基づいておこなわれます。
慢性B型肝炎の診断は困難なことがあります(特別なHBV血液検査でのみ診断可能)。
■治療法
急性B型肝炎の特異的な治療法はありませんが、慢性B型肝炎の治療薬としてインターフェロンや抗ウイルス剤などが使われます。
安全で効果的なワクチンを使ってB型肝炎を予防することができます。パートナーの数を制限したり、薬物の使用せず、安全なセックスを実践すれば、感染のリスクは低下します。 |