femalelife.jpは、すべての世代へ情報発信する女性のための総合健康サイトです。
思春期のあなたへ お付き合いを意識するあなたへ パートナーを持つあなたへ 出産・子どもを考えるあなたへ 子育て中のあなたへ 更年期を迎えるあなたへ 健やかに暮らしたいすべての女性へ
femalelife.jpトップページ > 健やかに暮らしたいすべての女性へ > 子宮内避妊システム(IUS) > Dr.インタビュー
思春期のあなたへ
 
 
  子宮内避妊システム(IUS)
   Dr.インタビュー
 
インタビュー記事 -「IUSって何?」-
東京メディカル&サージカルクリニック 坂元秀樹先生

坂元先生のご紹介  

坂元 秀樹 (さかもと ひでき) 先生
1976年 横須賀米海軍病院にてインターンシップ課程 修了
1980年 日本大学大学院医学研究科修了 医学博士 取得

 

坂元先生は日本及び米国での医師免許をお持ちです。語学に堪能で英語とスペイン語をお使いになるインターナショナルな先生です。
日本のみならず、欧米での最新医療の導入にも大変積極的で、現在は東京メディカル&サージカルクリニックの産婦人科医長として外国人患者さんの診療に取り組まれています。
また、日本大学にて講師をされながら、東京都内の愛育病院、山王病院、聖母病院、都立広尾病院の非常勤医師としてもご活躍中です。

坂元先生ホームページ(英語のサイトです)
http://www.sakamoto-obgyn.medem.com

 
Q1. 先生のクリニックでは約9割の患者さんが外国人とお聞きしていますが、日本人と外国人で家族 計画や避妊に対する考え方に違いはありますか?
       
A1. 既婚者で避妊をしている女性の割合は欧米人と日本人の間で大きな差はありません。ある調査では60~70%の既婚女性がなんらかの避妊法を使用していることがわかっています。しかし、問題なのは「どの避妊法を選んでいるか?」です。
欧米人では避妊効果の高い低用量経口避妊薬(OC)や子宮内避妊用具(IUD)などが使用されています。また日本では馴染みがありませんが、ファミリープランニングが終了している場合は、男性・女性問わず避妊手術を受けるカップルもあるようです。より効果の高い避妊法を選びたいという意識があるからですね。
 
  一方、日本の現状はというと、コンドームの使用が一番高く約70%を占めます。コンドームは手軽に使用できる避妊法かもしれませんが、装着方法の間違いやズレ、破損などによる避妊失敗率も高く、確実な避妊法とは言えません。
先ほども触れたように、海外で多く使用されている効果の高い避妊法としては、OCとIUDがあります。またIUDにはいくつかの種類がありますが、海外では黄体ホルモンが付加されたIUS(子宮内避妊システム)も使用されています。
       
Q2. 確実な避妊法は?OC、IUD、IUSの特徴を教えてください
       
A2. OCとは低用量経口避妊薬のことで、ホルモン剤を毎日服用する避妊法です。毎日忘れずに服用すれば高い避妊効果が得られますが、飲み忘れに注意しなければいけません。一ヵ月単位で服用を継続するかどうか決めることが出来るので、「短期的に避妊をしたい」という女性にも適した避妊法ですね。
IUDとは子宮内避妊用具のことで、その名の通り子宮の中にIUDという異物を入れることにより効果が得られる避妊法です。子宮内に挿入するものであること、一度の挿入で2年から5年間避妊効果が続くので、出産経験があって次の妊娠・出産までに期間をあけたい人や、ファミリープランニングが終了しこれ以上子供は要らないという人に適した避妊法だと思います。
日本では銅が付加された銅付加IUDが主に使用されていますが、海外で使用されている黄体ホルモンが付加されたIUD“子宮内避妊システム(IUS)”が今年日本でも認可されました。
 
  IUSは子宮内避妊システムの略で、避妊効果を高めるためIUDに黄体ホルモンが付加された新しいタイプの避妊法です。最長5年間高い避妊効果が得られるので、OCとIUDの二つの特徴を併せもつ避妊法といえます。IUSは、子宮内に挿入されると黄体ホルモンが子宮内に少しずつ放出される仕組みになっています。放出された黄体ホルモンの作用によって、子宮内膜の増殖がおさえられ受精卵が内膜に着床するのを妨げたり、子宮の入口である頸管の粘液を変化させて、精子が腟から子宮内へ進入するのを妨げたりして避妊効果を発揮します。IUSを1年間使用した場合の妊娠する確率は1000人に1(※1)~2(※2)人といわれています。

 
(※1)出典: Hatcher.R.A. et al : Contraceptive Technology : Eighteenth Revised Edition,
New York : Ardent Media, 2004
(※2)出典: 丸尾猛ほか:診療と新薬43, 1157-1174 (2006)
   
  IUSの黄体ホルモンは子宮の中に作用しますので、全身への影響は少なく、OCを飲み始めた頃にあらわれる吐き気や頭痛なども少ないです。OCには排卵をおさえる作用がありますが、IUSにはこの作用がありません。よってIUSを使用していてもほとんどの女性では使用前と変わらず排卵がみられます。
また、黄体ホルモンにより内膜はうすくなるので、その結果、IUSを使用している女性では月経量が減ってきます。この特徴から、確実な避妊を望んでいる人、その中でも月経量が多くて困っている女性には非常に適した避妊法だと思います。

 
通常の状態   IUS使用中の状態
  私のクリニックでも海外在住時からIUSを使用している女性や日本でIUSの使用を開始した女性などもいらっしゃいますが、彼女達の声を聞いていると、使い始めてからどれくらい経過しているのかによって感想は違うようです。
月経量の減少はIUSの一つの特徴ですが、使用開始後には月経以外の出血(不正出血)がみられることがあり、3ヵ月から6ヶ月間続く場合があります。ですから、使用開始から間もない人からは出血に関する相談を受けることが多いですね。
使用開始後の不正出血については「IUSを使用すれば不正出血は誰にでも起こることです。時間がたてば減少してゆきますのでまずは3ヵ月間、様子をみてみましょう。」と説明しています。
一方、使用開始から半年~1年が経過した女性からは「毎日避妊のことを考える必要がなく、パートナーとの自然なセックスライフを楽しめるようになった」「月経量が減り、月経痛が軽くなった」という感想をよく耳にします。また、使用開始から月経量がだんだん減少してきますが、時間の経過と共に月経回数も少なくなり、約20%の女性では月経が起こらなくなります。
月経が起こらなくなった女性では「好きなスポーツや旅行をいつでも楽しめるようになった」という方もいらっしゃいます。
使用者の感想から、最初の不正出血を乗り越えた女性においては満足度の高い避妊法なのだと思います。
   
 
 
  IUSが認可されている国 (2007年1月現在)
   
Q3 避妊に関して、今後、日本人女性に期待したいことは何ですか?
   
A3. 日本ではパートナーとセックスや避妊のことをオープンに話し合う、という習慣はありません。特に避妊に関しては日本はまだまだ後進国です。
しかし、海外の女性たちは結婚後もご主人やパートナーとの関係を良好に保つためにセックスは重要だと考えます。
女性の人生にとって結婚、妊娠、出産は大きなイベントです。
結婚して家族が出来る、特に出産を終えて子供を持つことで女性のライフスタイルは大きく変化し、家事や育児などにかける時間も多くなります。「家族との時間を大切にしたい、でもパートナーとのコミュニケーションも大切」そんな女性には是非確実な避妊法を選んで欲しいと思います。
?
  OC、IUD、IUS、ライフスタイルやライフステージに合わせて自分に適した避妊法を選択する。IUSは月経量が減ってゆくという特徴から、より快適で健康的な生活を送りたいという女性にも適した避妊法ですから、これからを生きる賢い女性には是非覚えておいて欲しい新たな選択肢ですね。
 
 
cCopyright 2004 Bayer AG