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☆★☆FemaleLife通信 Vol.90☆★☆

配信日 2012.01.05

☆★☆FemaleLife通信 Vol.90☆★☆

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2012年の幕開け、謹んで初春のご挨拶を申し上げます。
昨年は、私たちにとって忘れることのできない年となりました。その記憶を胸に、皆さまの新しい一年がより健やかでありますようお祈りいたしております。
FemaleLife通信では、これからも女性のココロとカラダの健康をサポートするためのさまざまな情報を発信していきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

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ドクター江夏のメディカルコラム

第11回 貧血を侮るな!過多月経に気をつけて!

さあ、年が明けました!昨年は未曾有の大震災をはじめ、大変な年でした。今年は皆さんにとっていいことばかりの1年になりますように!そして、まだ まだ震災の影響の真っ只中にいる皆さんも、一日も早くこころ安らげる日がきますように、心からお祈りしています。

さて、このメルマガも私が担当するのはあと3回!お伝えしたいことが山ほどある中から、今日は「過多月経」の話をしましょう。

過多月経とは、文字通り月経の出血(経血)の量が多過ぎること。ただ、自分の経血が多いのかどうか「人と比べたことがないから分からない」という人も 多いようですが、目安として「昼は昼用ナプキン、夜は夜用ナプキンで間に合わない」「排尿したくないのに、数時間おきにナプキン交換にトイレに行く 必要がある」のどちらかに当てはまれば、過多月経の可能性があると考えます。
それでは、どの程度になったら治療が必要なのでしょう?その目安になるのは「貧血」です。ただし、医学的に言う貧血は、「ふらふらして倒れる」という 自覚症状ではなく、血液中で酸素を身体の隅々まで運んでくれるヘモグロビン や、その原料である鉄が不足すること。血液検査で確認する必要があります。
鉄は、食事の中から1日1~2mg程度取り入れ、毎日同じ程度ずつ汗や便、 尿などから排出されていますが、女性の場合は月経で余計に鉄が排出される ため、日頃から余分に鉄を摂取し、「貯金」しておく必要があります。そして、 その経血量が貯金を脅かすほど多ければ、当然「赤字がかさむ」=貧血になる 訳です。貧血が悪化すると、心臓は脈拍を増やして酸素を運ぶ量をなんとか 保とうとするため、動悸や息切れが起こるようになります。それを放置すると、 だんだん心臓に負担がかかり、心不全の状態になります。身体の水分が心臓 に戻れないため、ひどいむくみが起こり、場合によっては命にかかわることも! 困ったことに、女性の場合は毎月の月経で徐々に貧血が進み、それに身体が 慣れていくため、なかなか症状が出にくく、気づいた時にはひどい状態!という こともよくあります。また、経血量がそれほど多くなくても、女性の場合はダイエット や偏食で食事の量が少ない(=鉄の摂取も少ない)人が多く、知らず知らずに 貧血が起こっていることも。会社の検診でもいいので、少なくとも年1回は貧血 のチェックを受け、貧血と言われたら必ず婦人科を受診しましょう。

さて、過多月経の原因として考えられるのは、まず子宮の異常。子宮筋腫や 子宮腺筋症などのために子宮(特に子宮内腔の表面積)が大きくなる場合や、 子宮内膜ポリープなどで子宮内膜が厚くなる場合があります。そしてもう一つの 原因は、ホルモンバランスの乱れ。子宮内膜を準備し、月経として出血させる 仕組みを調節しているのは、排卵によって変化する女性ホルモン。きちんと 排卵が起こると、その2週間後に子宮内膜が剥がれて出血が起こるのが月経 でしたよね。うまく排卵できないと、出血が少量でだらだら続いたり、多量で 止まらなかったりするのです。子宮体がんやその前がん状態と言われる子宮 内膜増殖症は、このホルモンのアンバランスが原因になっていることも知られて いるように、子宮の病気とホルモンバランス異常の両方が絡んでいる場合も多い ものです。ですから、経血量が多い場合は、まず婦人科で子宮に異常がないか (内診・超音波検査、子宮がん検診)、ホルモンバランスに異常がないか(ホル モン検査や基礎体温の確認)を行い、原因を突き止めることが大切です。

治療としては、ホルモンバランスを整えたり、ホルモン量を抑えて子宮内膜を 薄くしたりするような「ホルモン治療」を考慮します。特に最近注目されているのは、 適応は避妊ですが、月経量を減少させるという副効用を持つ、低用量ピルなどの ホルモン薬や黄体ホルモン付加子宮内避妊システム(IUS)です。私も子宮 腺筋症と筋腫で経血量が多く、外来中に出血がナプキンを溢れて白衣を 汚してしまったこともありましたが、低用量ピルを内服している今は、夜用はおろか、 ナプキンの「羽根」ですら不要になって極楽な月経ライフです。ナプキン代も 安くつくようになりました!月経量が多く、避妊を希望している女性の方には、 かなりお勧めですよ!

ただし、ホルモン療法で経血量が減らない場合や、妊娠を希望している場合には これらの治療法が使えないので、原因となる子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜 ポリープなどの疾患がある場合には手術を行い、早期に妊娠するような治療を 進めていくこともあります。

また、稀ですが、子宮やホルモンバランスに異常がない場合や、ホルモン治療を しても経血量が減らない場合、血液疾患(血小板の減少、凝固因子の欠損など、 血を止める働きの異常)が原因であることがあります。その場合は、婦人科で 経血量を減らす治療を進めながら、専門である血液内科で精査・治療をすること が必要です。

また、会社の検診などで貧血と診断された方で、過多月経があるのに「産婦人科 は行きづらいから」と、内科で貧血の治療だけ受けている人も少なくないようです。 貧血はもちろん鉄剤を使って治療する必要がありますが、過多月経の原因を 調べずに貧血の治療だけをするのは、「お風呂の栓が壊れてお湯がジャジャ漏れ なのに、必死でお湯の蛇口を全開にしてお湯を溜めようとしている」のと同じで、 根本的な解決策にはなりません。鉄剤を止めると決まってまた貧血が起こって しまいますので、過多月経がある場合は、必ず産婦人科を受診しましょう!

月経は、「人と比べることができないからこれが普通?」と思って我慢しがちですが、 自覚症状がなくても、治療を始めて劇的に経血量が減少し、楽になって初めて、 自分が異常だったことに気づく人も多いものです。月経が異常かどうか客観的に 判断できるのはやはり産婦人科医です。定期的に検診を受け、変化や異常を 早く見つけ、対処できるように、かかりつけのドクターを見つけておきたいですね!

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☆江夏院長のプロフィール
宮崎県都城市生まれ
鳥取大学医学部医学科卒業・同大学院修了
鳥取大学医学部附属病院、公立八鹿病院(兵庫県)、国立米子病院(現・米子 医療センター)等にての勤務を経て、2004年より上京。
汐留第2セントラルクリニック、イーク丸の内、ウィミンズウェルネス銀座クリニック にて女性外来での診療を経験する傍ら、東京大学大学院身体教育学研究科 にてスポーツ医学を学ぶ。
2010年4月9日 四季レディースクリニック開院

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