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私の年齢ではこんな病気に要注意。女性の疾病データベース

女性のカラダのしくみを知っていますか?女性のカラダの病気を知っていますか?
ここでは女性特有の病気、月経異常から外性器・内性器・乳房の病気、性感染症、女性特有の癌までを7回シリーズで分かりやすく説明します。

監修:早乙女 智子先生(医療法人回生会 ふれあい横浜ホスピタル産婦人科医長)
 
腟・外性器の病気

バルトリン腺のう腫バルトリン腺炎萎縮性膣炎(老人性膣炎)外陰ジストロフィー外陰炎
外陰部ベーチェット病非特異性膣炎

 
バルトリン腺のう腫

バルトリン腺炎をくり返していると、バルトリン腺の入り口が詰まってしまい、分泌液が排出されなくなって袋状の「のう腫」が形成される場合があります。これがバルトリン腺のう腫です。通常は炎症を起こしていないので、痛みを感じることは少ないのですが、そのため、はれが大きくなるまで発見が遅れることがあるので注意が必要です。
腟の入り口付近、左右のどちらかにプニュプニュとしたしこりができたら、バルトリン腺のう腫が疑われます。しこりは少しずつ大きくなり、鶏卵ほどまでになります。大きくなると腟口付近に違和感を覚え、歩きにくさを感じるまでになることも。小さいうちは経過を観察しますが、3~4cm大になると分泌液を排出させるため切開の必要が出てきます。
のう腫ができる原因ははっきりしていませんが、バルトリン腺炎をくり返す人に多く見られることはわかっています。したがって、汚い手で外陰部に触れたり、細菌を増殖させるような環境を作らないようにして、まずはバルトリン腺炎を再発させないよう心がけることが第一です。腫れに気づいたら、すぐに婦人科を受診しましょう。


バルトリン腺炎
バルトリン腺とは、腟の入り口付近にある分泌腺です。腟口の左右に位置し、性交の際に乳白色の分泌液を出します。このバルトリン腺に淋菌や大腸菌などの細菌が侵入して炎症を起こすのがバルトリン腺炎です。原因菌は、これまでは淋菌がトップでしたが、最近はブドウ球菌や連鎖球菌なども炎症の原因菌となっています。
おもな症状は、左右どちらかのバルトリン腺が赤く腫れあがり、 強い痛みを感じます。歩いているだけで痛みを感じるほどで、発熱することも少なくありません。ほとんどはバルトリン腺液の分泌のさかんな性成熟期の女性にみられますが、まれに思春期前や高齢の女性にもみられます。
炎症が進行すると、バルトリン腺膿瘍になります。膿瘍の大きさは親指の頭くらいのものから鶏卵大程度にまでなります。この膿瘍は、切開したり穿刺をしたりして患部にたまった膿を注出するのですが、これだけでは再発する危険があるため、抗生物質をしっかり服用し、原因菌を死滅させることで症状は軽快していきます。いずれにしても、症状が見つかったら早く受診しましょう。
普段の生活で気をつけたい点は、外陰部を清潔に保つことです。

萎縮性腟炎(老人性腟炎)
更年期や閉経期になると卵胞ホルモンが低下して卵巣機能が衰えます。女性ホルモンの分泌が悪くなり、粘膜が萎縮して腟の自浄作用が低下すると発症するのが萎縮性膣炎です。以前は老人性腟炎と呼ばれていましたが、更年期の世代を「老人」と呼ぶのはふさわしくないこと、卵巣を摘出してその機能が停止した人は老人でなくても症状を起こすことなどから、萎縮性腟炎と呼ばれるのが一般的になりました。
黄白色で粘り気のあるおりものがその特徴です。時にはおりものに血液が混じることもあります。腟の伸び縮みが悪くなってうるおいがなくなるため、ちょっとした刺激で痛みを感じたり出血を起こします。セックスの際に痛みを感じて行為を続けられないこともよくあります。腟内に出血があるかどうかを婦人科の内診で確認し、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの測定を行って最終的な治療方針を決めていきます。
治療としては、卵胞ホルモンの腟錠または錠剤の内服で弱った粘膜を回復させます。場合によっては抗生物質の腟錠や内服も必要になります。性交痛がある時は腟ゼリーの使用でかなり軽減されます。腟の自浄作用が低下していますので、清潔と通気には十分な注意を払います。石鹸を使って洗うと刺激が強すぎますので、お湯で洗う程度にしておくとよいでしょう。

外陰ジストロフィー
大陰唇や小大陰唇、クリトリスなどの部位に、左右対称の白い斑点が現れるのが外陰ジストロフィーです。斑点は太ももの内側にまで広がることがあり、かゆみや痛みを伴います。斑点は内診ですぐにわかるくらいの特徴的なものです。
おもに思春期以前および更年期以降の女性に多くみられます。原因ははっきりしていませんが、外陰部の発育異常や栄養障害に関連があるのではないかと考えられています。また思春期や更年期の女性はエストロゲンの分泌量が少ないため、外陰部が萎縮する傾向にあることと関わりがあるとも言われています。
外陰ジストロフィーは患部を少しだけ切り取って組織検査を行い、①外陰白斑症、②外陰萎縮症、③混合型ジストロフィーの3タイプに分類されます。組織検査の結果で細胞の異常が見つかった場合は、外陰がんになる可能性があるので注意が必要です。
万が一異常があった時は、慎重に検査方法や治療方針を決めていかなければなりません。また場合によっては、早期に白い斑点を切除したほうがよい場合もあります。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤、その他ステロイド剤などを用いて治療をしていきます。
外陰がんなどになる場合はごくまれですが、自己判断しないで、まずは産婦人科を受診してましょう。
かゆみがあるため外陰部の清潔と通気を心がけます。体が温まるとかゆみが増しますので、長時間の入浴は避けましょう。お風呂で洗う時にはぬるま湯でそっと洗い流します。

外陰炎
外陰部に細菌が感染して炎症を起こした状態を外陰炎といいます。外陰部という場所は、ムレやすく細菌が感染しやすい環境が整っているところです。最近流行りのぴったりとしたショーツやGパンをはくことで外陰部の通気性が悪くなり、かぶれて細菌感染を起こすことが多いようです。また、トイレットペーパーや自転車のサドルでこすれたり、外陰部に傷がつくことで炎症を起こすこともあります。
おもな症状は、外陰部のはれ、かゆみや灼熱感です。おりものが多くなる時は、腟からの感染が疑われます。外陰炎は、女性であればだれでもなる可能性がありますが、なかでも病気で免疫力が低下している人や妊婦、女性ホルモンが低下した人、糖尿病の人などはかかりやすいといえるでしょう。外陰炎のかゆみは、掻けば掻くほど増していきます。また、かき傷から細菌が入り込んでしまうこともありますので、悪化しないうちに早めに産婦人科を受診することをお勧めします。
外陰炎にならないためには、外陰部を清潔に保つことが重要ですが、なかには洗剤や柔軟剤が外陰部を刺激して症状を引き起こすケースもあります。下着を洗濯する際には、すすぎをていねいにした上で、外陰部に当たる場所を十分に乾燥させるよう心がけましょう。刺激物質としては香水やパウダーなども考えられます。敏感な場所ですので、こういったものの使用は避けた方がよいでしょう。

外陰部ベーチェット病
ベーチェット病は口内炎、発疹などの皮膚症状、外陰部潰瘍、視力低下などの眼症状の4つを特徴とする難病です。膠原病の類縁的な病気として公費補助の出る国の特定疾患です。発症には地域的な偏りがあり、日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られます。そのため遺伝的な素因があるのではないかと考えられていますが、現在のところ病気の原因ははっきりしていません。日本では、30、40代の女性に多いようです。
外陰部に出る症状としては、大陰唇や小陰唇、腟粘膜に深くえぐれたような潰瘍ができます。潰瘍は痛みを伴います。全身が疲れやすくなるのも、この症状の一つです。病気の原因が解明されていないため、今のところ治療は症状に応じた治療にならざるを得ません。また外陰部の他の疾患と同様に、通気や清潔を心がけることが大切です。眼の症状が現れると失明の危険が高くなると言われていますが、一方で、眼症状がない場合は症状が軽快してしまうこともよくあります。ただし、いったん良くなったと思っても症状を繰り返すのがこの病気の特徴です。慢性疾患であることを忘れてはいけません。症状がみられない時も、栄養をしっかり補給して体力を維持し、規則正しい生活を心がけましょう。

非特異性膣炎
大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌などが原因で起こる膣炎を、非特異性膣炎といいます。通常は膣の中にあるデーデルライン桿菌という菌が、膣内を酸性に保ってこれら病原菌の侵入を防いでくれています。ところが病気や過労、ホルモンバランスの崩れなどが起こると膣内の酸性が保たれなくなり、抵抗力が低下して膣炎を引き起こすのです。
性交渉、タンポンやナプキンの長時間使用、下痢などによっても発症します。また通気性の悪い素材を使った締め付けの強い下着をつけていると、外陰部がむれて雑菌が繁殖しやすくなるので気をつけなければいけません。
症状としては、黄色、茶褐色、緑色などのおりものが増え、外陰部が腫れるのが特徴です。通常かゆみは強くありませんが、症状が進むと外陰部がただれたり排尿の際にしみたりします。抗生物質の膣座薬を挿入したり、錠剤を内服して治療すれば、きちんと治る病気です。
治療中は外陰部に刺激を与えないためにも、性交渉は控えるようにしましょう。日常生活の中では、外陰部の通気と清潔を心がけ、お風呂に入った時にていねいに洗いましょう。また、免疫力の低下が原因で発症することもありますので、過労や疲れがたまらないよう注意しましょう。排便の際には前から後ろに向けて拭くようにし、細菌の侵入を防ぐことも大切です。
 
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