femalelife.jpは、すべての世代へ情報発信する女性のための総合健康サイトです。
思春期のあなたへ お付き合いを意識するあなたへ パートナーを持つあなたへ 出産・子どもを考えるあなたへ 子育て中のあなたへ 更年期を迎えるあなたへ 健やかに暮らしたいすべての女性へ

私の年齢ではこんな病気に要注意。女性の疾病データベース

女性のカラダのしくみを知っていますか?女性のカラダの病気を知っていますか?
ここでは女性特有の病気、月経異常から外性器・内性器・乳房の病気、性感染症、女性特有の癌までを7回シリーズで分かりやすく説明します。

監修:早乙女 智子先生(医療法人回生会 ふれあい横浜ホスピタル産婦人科医長)
 
乳房の病気

急性うっ帯性乳腺炎急性化膿性乳腺炎乳管内乳頭腫乳腺症
乳腺線維腺腫慢性乳腺炎葉状腫瘍

 
急性うっ帯性乳腺炎

初めて赤ちゃんを生んだ人に起こりやすいのが、急性うっ帯性乳腺炎です。
出産後2~3日すると、乳汁(母乳)は自然に分泌されるようになりますが、初産婦では乳管が十分に開いていないため、乳管がつまりやすい状態になっています。また初乳は、通常の乳汁よりも濃度が高いので、ただでさえつまりやすいのです。さらに、生まれたばかりの赤ちゃんは、まだまだ上手におっぱいを飲むことができません。こうしたさまざまな悪条件が重なって、産後すぐは乳腺がつまりやすい状態になっているのです。
つまった乳管は、乳腺の組織を圧迫して、乳房の腫れを引き起こします。また、乳房の血管に血液やリンパ液がたまってうっ血状態となり、乳腺組織が圧迫されるためにおこる場合もあります。腫れた部分は硬く、熱を持ち、強い痛みを伴います。また、乳房全体が腫れてしまう場合もあります。
症状を軽くするには、うっ帯している乳汁を取り除くしかありません。痛みをがまんして、根気よく授乳を行ってください。そして、授乳後はしっかり搾乳をして乳汁を残さないようにしましょう。乳房や乳頭をマッサージしてあげると乳管が開き、乳汁の出がよくなります。妊娠中から、乳頭マッサージを行っておくとよいでしょう。


急性化膿性乳腺炎
乳頭にできた小さな傷や乳管口から細菌が入り、乳房内に感染するのが、急性化膿性乳腺炎という病気です。
赤ちゃんにおっぱいを吸われていると乳頭には小さなヒビができやすく、授乳中は細菌が入りやすい状態になっています。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌、時には大腸菌、肺炎菌、まれに淋菌などが原因菌となり感染を起こします。出産後2、3週間のうちに起こることが多く、急性うっ帯性乳腺炎から移行しやすいようです。

症状は、乳房が赤く腫れ上がり、激しく痛みます。乳房だけでなく、わきの下のリンパ節まで腫れることもあります。感染が長引くと、乳房に膿がたまってしこりができます。さらに症状が進むと、乳汁に膿や血が混ざるようになります。また多くの場合、悪寒やふるえとともに38~40度の高熱が現れます。
まず、炎症を抑える薬を服用します。授乳を中止しなければならないこともあります。また、膿瘍(膿がたまった状態)が大きくなってしまった場合は、注射器などで膿を吸い取ることもあります。場合によっては皮膚を切開して、膿瘍を取り除く必要もでてきます。
急性化膿性乳腺炎にならないためには、乳汁がたまらないよう気をつけることが最も大切です。乳房マッサージを頻繁に行い、乳管がつまらない状態を保ちましょう。また授乳の際には、細菌に感染しないよう必ず石けんで手を洗い、乳頭や乳輪を清浄綿などで拭いて清潔な状態にしておくよう心がけましょう。

乳管内乳頭腫
乳管内乳頭腫は、乳頭の真下にある太い乳管の中に、数ミリ~1センチ程度の突起状のポリープができるものです。時には数センチ程度の大きさになることもあります。
良性のしこりですが、症状が乳がんの初期と似ているため医師に正しい診断をしてもらう必要があります。40~50歳の、出産経験のない人に多くみられます。

乳頭から血の混じったものや、黄色っぽい分泌物が出て下着を汚すことで気づきます。まれに乳房のしこりとして気づく人もいますが、通常自分でさわってもしこりを見つけるのは難しく、痛みや腫れもほとんどありません。また外見上の変化もありません。
乳頭から分泌液が出るという症状は、たいていが乳管内乳頭腫によるものですが、乳がんと大変紛らわしいため、検査を受けてきちんと診断してもらうことが大切です。乳管内乳頭腫は、比較的太い乳管にできやすいのですが、時には細い乳管の中にできることもあります。その場合は悪性になりやすいので気をつけなければなりません。ただし、乳管内にできるがんはその中にとどまっていて、乳管外にでることはほとんどありません。これは非浸潤がんと呼ばれ、転移のリスクは少ないタイプのものです。たとえがんが見つかっても、ほとんどの場合手術で完治させることができます。

乳腺症
乳腺症は、乳房にしこりができ、鈍い痛みを感じます。しこりは左右の乳房にある場合もあれば、片側だけの場合もあります。また、しこりのサイズも大きいものから小さいものまでさまざまです。しこりの境界線がはっきりしていないのも乳腺症の特徴です。30~40歳代の女性に多くみられます。

しこりと痛みは持続しますが、月経周期によってしこりの大きさや痛みの強さが変化します。一般に月経の前になるとしこりは大きくなり、痛みも増すことが多いようです。月経が始まると、症状は徐々に軽くなっていきます。
このように乳腺症は、内分泌機能のアンバランスが原因と考えられており、エストロゲンが多い場合に発症しやすいと言われています。乳腺症のしこりは良性であり、特に治療の必要はなく、ほとんどは自然に治ってしまいます。ただ、「乳がんかしら?」と不安になるでしょうし、実際に乳がんかどうかの検査を受けることが大切です。
乳がんの場合は、しこりがはっきりと独立していることが多く、乳腺症とは異なり、乳頭から異常分泌液が出るなど共通の症状もありますが、自己判断は禁物です。できれば乳腺外来のある病院で、きちんと調べてもらうことをお勧めします。

乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫は、乳汁を作る乳腺小葉という部分の繊維成分が増殖してできたものです。15歳から30歳代の若い女性にできることが多く、初潮前や閉経後の女性にみられることはほとんどありません。したがって、女性ホルモンの作用が関係しているのではないかと考えられています。

痛みはなく、大きさは小豆大から卵くらいのものが一般的です。しこりの表面は平らでツルっとしており、弾力性があります。ピンポン玉が乳房の中で動いている感じをイメージするといいでしょう。境界のはっきりした硬いしこりができ、触るとクルクルと動くのが特徴です。
たいていどちらかの乳房に1個だけできますが、人によっては2、3個できることもあります。また両側の乳房にできるケースもあります。乳頭から分泌液が出るようなことはありません。
乳房にしこりがみつかったら、まずは病院で診てもらいましょう。乳がんとの鑑別をする必要があるのですが、そのほとんどがしこりは2センチ以下の小さなものが多く、なおかつ良性のものです。その場合は治療の必要はありません。なかにはしこりが急に大きくなる巨大線維腺腫というものもありますので、念のために毎年の定期検診で経過を観察することになります。

慢性乳腺炎
急性うっ帯性乳腺炎や急性化膿性乳腺炎が、赤ちゃんを出産した後まもなく起こるのに対し、慢性乳腺炎は出産後ある程度の時間が経過してから起こります。
乳腺の炎症が慢性化して、症状がなかなか治らないという意味では、根気強く治療すべき病気と言えるでしょう。

他の乳腺炎と同様に、乳房の腫れや痛みを伴いますが、急性のものほど激しい症状はなく病気の経過も比較的ゆるやかです。慢性乳腺炎は主に乳輪下膿瘍乳管拡張症の2つに分類されています。
● 乳輪下膿瘍
乳輪の下の部分に膿がたまる状態。膿は皮膚にも広がり、瘻孔(ろうこう)と呼ばれる皮膚の穴を作ります。乳輪の下にはしこりができ、赤く腫れたり膿が出てきたりします。乳頭が陥没し、そこから分泌液が出てくることもあります。
● 乳管拡張症
乳管の周辺が炎症を起こした状態を言います。乳管の中に体液がたまり、それが乳管の周囲を刺激するのが炎症の原因と言われています。

急性化膿性乳腺炎が治りきらなかったことが原因で慢性化してしまい、慢性乳腺炎になってしまうケースもあります。何度も症状をくり返すため、気持ちが沈みがちになりますが、決して治らない病気ではありません。あせらず、ゆっくりと治療を続けていきましょう。

葉状腫瘍
葉状腫瘍は、乳腺に乳腺線維腺腫と同じようなしこりがみられます。そのしこりは急速に大きくなり、数カ月で5センチ以上になってしまいます。触るとクリクリと動き、でこぼこしていますが、表面からは滑らかに見えます。
葉状腫瘍がみられる年齢は10代から高齢者まで幅広いのですが、なかでも多く発生するのは、40~50歳代です。

初期の状態は、乳腺線維腺腫のしこりとよく似ていて痛みもありませんが、とにかくどんどん大きくなっていくのが特徴です。なかには30センチ以上になるケースもあります。そうなると、それまで硬くて弾力性があったのに、ブヨブヨした感触に変わってきます。また、赤く腫れたり、痛みを伴ったり、まれに潰瘍を起こすケースもあります。しこりが大きくなると不安になるのも当然ですが、良性のものの場合が大半です。
ただし、なかにはまれに悪性の場合があり、そうなると肺や骨に転移していくことが考えられるので、自己診断ではなく、医師の診察を受けることが大切です。また、良性の場合でも患部が大きくなってしまった場合は、症状の軽い早い段階ならば、日帰りで簡単に腫瘍を摘出することも可能です。

 
戻る
 
c Copyright 2007 Bayer AG