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私の年齢ではこんな病気に要注意。女性の疾病データベース

女性のカラダのしくみを知っていますか?女性のカラダの病気を知っていますか?
ここでは女性特有の病気、月経異常から外性器・内性器・乳房の病気、性感染症、女性特有の癌までを7回シリーズで分かりやすく説明します。

監修:早乙女 智子先生(医療法人回生会 ふれあい横浜ホスピタル産婦人科医長)
 
性感染症

エイズクラミジア感染症性器ヘルペス尖形コンジローマ梅毒淋菌感染症
膣カンジダ症膣トリコモナス症

 
エイズ

1981年に初めて報告された比較的新しい性感染症です。
エイズ(Acquired Immune Deficiency Ssyndrome)は、後天性免疫不全症候群の英語の頭文字をとったもので、HIV(Human Immunodeficiency Virus)(ヒト免疫不全ウィルス)の感染によって起こります。その名のとおり、人間が生きていくために必要な免疫力が極端に低下してしまい、通常では何の問題もないような日和見感染で命を落とすことのある病気です。

HIVウイルスは精液、腟分泌液、血液、母乳、といった体液に存在します。そのため感染経路としては性的接触のほか、輸血、麻薬や覚醒剤のまわし打ち、エイズウイルスを持つ母から子への母子感染などがあります。

体内での潜伏期間は数カ月から15年程度と長いため、本人に病識はなく、周囲も気付きません。感染後1~3週間したころに軽い風邪症状が出ることがありますが、この段階で気付くことはほとんどありません。

エイズ発病前の時期には、強い疲労感や発熱、体重減少などが起こります。そして免疫力が極端に落ち、カリニ肺炎やカポジ肉腫といった病気にかかってしまうのです。病気は急激に進行し、短期間で死に至ることもあります。
現段階でエイズを治す薬はないため、いったん感染すると残念ながら完治させることはできません。しかし、発病を遅らせる薬や免疫力を高める薬の開発は進んでいます。
エイズのリスクは、感染に気付かず病気を拡大させてしまうところにあります。パートナーが変わったときや病気に思いあたる節がある時は、検査を受け発病しないように適切な治療を受けることが重要です。


クラミジア感染症
セックスでうつる「性感染症」の中で、最も多く見られるのがクラミジア感染症です。
クラミジア・トラコマチスという微生物が原因となって感染する病気です。症状が軽いため、知らず知らずのうちにパートナーにうつしてしまいがちなのが特徴です。

女性の場合、7日から21日の潜伏期間を経て、子宮頸管炎や子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こします。ただし、症状は帯下の増加や軽い下腹痛程度で、自覚症状のない場合がほとんどです。人によっては下腹部の痛みや不正出血、排尿時の違和感を覚え
ることもあります。
男性の場合は、一般に尿道炎を起こし、尿道内にむずがゆさを感じたり排尿時に痛みを感じたりします。

クラミジア感染症にかかり、そのまま放置すると、流産や不妊症、子宮外妊娠などの原因となってしまいます。また妊娠中に感染して、そのまま出産に臨むと、赤ちゃんが産道を通る時に口や目の粘膜を通して病気が感染する危険もあります。赤ちゃんにうつると生後1週間ごろから結膜炎を起こし、その後新生児肺炎の症状を引き起こしてしまうので注意が必要です。

性感染症はパートナーと一緒に治すのが基本です。どちらか一方だけが治っても、セックスをすればまた感染してしまいます。完治するまでセックスは避けなければなりません。また不特定多数の相手とセックスをすることは、病気の危険を増大させます。
自分の体を守る意味でも、信頼できるパートナーを選ぶことは大切なことと言えるでしょう。

性器ヘルペス
単純ヘルペスウィルスII型に感染して起こる性器ヘルペスは、外陰部に水疱や潰瘍ができる性感染症です。口の周囲に症状が現れるものは主にI型のウイルスですが、I型、II型ともオーラルセックスによって口から性器、あるいは性器から口に感染する場合もあります。また出産のときに、赤ちゃんが産道で感染すると、脳炎や肺炎を引き起こす危険もあるのです。

初めて感染したときは、2~10日間の潜伏期間を経て発症します。はじめは外陰部に軽いかゆみを感じていたのが、次第に強い痛みと腫れに変わります。米粒大の赤い水疱がたくさんでき、それがつぶれるとジクジクとした潰瘍になり、痛みはさらに激しくなります。そうなると排尿や歩行が困難になり、発熱を伴って、入院治療でなければ対処できなくなることがあります。

この病気は一度治っても再発することが多く、注意が必要です。再発しやすいのは、脊髄神経の中にある仙髄神経という場所にウイルスが潜伏するためです。風邪をひいたり、ストレスや過労で体の抵抗力が落ちると、セックスの有無に関係なく再発することもあります。

再発の場合は初回ほど強い症状はなく、ほとんどの場合軟膏を塗るだけで治ることが多いようです。ただし水疱や潰瘍が出ている間はパートナーにうつす危険があることを忘れてはいけません。症状が軽くても治療中のセックスは避けましょう。

尖形コンジローマ
コンジローマとは、ラテン語で「湿ったイボ」という意味。尖形コンジローマは、外陰部や肛門付近にイボ状の良性腫瘍ができる病気です。その名前のとおり、触るとやらわかく、湿った感触があるのが特徴です。

イボウイルスのヒトパピローマウイルスによる性感染症で、患部に触れることで感染します。潜伏期間が長く、通常は感染して3週間から8か月(またはそれ以上)で発症します。

外陰部や膣、肛門の周辺に尖った小さなイボが現れます。イボは白色や薄い茶色をしており、次第に拡がっていきます。イボの数が増えていくと、それらはカリフラワー状に固まっていきます。イボが小さな間はさほど自覚症状は出ませんが、増大してくると軽いかゆみや灼熱感があり、臭いのある分泌物が出てくることもあります。

できたイボを取り除いても、3カ月後にはかなりの確率で再発してしまうというのがこの病気の特徴です。なぜなら、イボができていない部分にも、すでにウイルス感染が起きている場合が多いからです。

治療中のセックスは医師の指示があるまで控えます。完全に治すまでには時間がかかりますが、医師の指導のもと根気よく治療を続けましょう。また原因となるヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんの発症に深い関係があると言われています。イボが見つかったら、念のため子宮がん検査を受けることをお勧めします。

梅毒
梅毒はトレポネーマ・パリダムという微生物の感染によって起こる病気です。感染者とのキスやセックスでうつる、古くから知られた性感染症です。

症状は4期に分けられています。
●第1期(感染~3カ月)
感染してから2~3週間で発症します。外陰部や肛門、口の中、乳房などに硬い“おでき”ができます。痛みはなく、おできの表面がただれてきて、やがて潰瘍に変化します。自然に治ってしまうため、この段階で病気に気付くことはほとんどありません。

●第2期 (3カ月~3年)
3カ月ほどたつと、トレポネーマ・パリダムは血流に乗って全身に拡がります。リンパ節が腫れ、発熱や頭痛、倦怠感などがあらわれます。やがてバラ疹と呼ばれるバラの花びらのような発疹や、小豆や大豆大の盛り上がったような湿疹が全身に現れます。
また、脱毛や爪の変形が認められることもあります。この段階で病気に気付くことが多く、梅毒の治療が始まります。

●第3期 (3年~10年)
皮膚、骨、筋肉、あるいは肝臓や腎臓などに、ゴム腫と呼ばれるゴム状のしこりが現れます。組織が破壊され傷跡として残ることもあります。

●第4期 (10年以上)
脳や神経が病気に侵されます。手足のしびれや痴呆症、大動脈瘤といった症状が現れます。

妊娠時に感染していると、赤ちゃんにうつってしまう可能性が高いです(先天性梅毒)。通常妊娠初期に検査を受けます。病気にかからないよう自らの性行動を見直すとともに、気になる症状が出た時にはすぐに受診するよう心がけましょう。

淋菌感染症
女性の淋菌感染症は、男性ほど強い症状が出ないため、多くが気付かれないままになっています。そのため、「淋菌感染症は男性の病気」と思われがちな病気なのです。
ところが、それでも最近は、女性の感染者が増加しているといわれており、おりものが濃い膿状になったら受診が必要です。

淋菌感染症は、症状に気付かずに放っておくと、次第に感染が拡がっていき、子宮頚管炎から子宮内膜炎、子宮付属器炎などを起こしてしまいます。淋菌が骨盤までたどり着いて炎症を起こすと骨盤腹膜炎となります。

炎症が慢性化すると、卵管が狭くなったり閉塞したりするため、不妊や子宮外妊娠の原因となります。また、オーラルセックスによって喉に感染し、咽頭炎になることもあります。さらに淋菌が目に入ると、結膜炎を発症する危険も高まります。このように、淋菌感染症は早期の発見と治療が大切なのです。

病気を発見する好機は、パートナーの男性に症状が出た時です。男性では尿道炎や尿道狭窄、副睾丸炎などがあらわれます。また、病気が進むと膀胱炎や腎盂腎炎を起こします。

男性にこういった症状が現れ、合わせて女性の陰部が赤く腫れる、かゆみを感じる、おりものが増えるといった症状があらわれた時は、すぐに検査を受けましょう。

膣カンジダ症
膣の中や外陰部に強いかゆみを感じ、カッテージチーズ状のおりものが多くなったら膣カンジダ症を起こしている可能性があります。原因は、膣に常在しているカンジダ・アルビカンスという真菌です。これは膣の他に口や肺、腸にも寄生している菌で、体が健康な時にはまったく問題ありませんが、過労や病気で抵抗力が低下している時や、妊娠中、糖尿病、無理なダイエット、さらに抗生物質を長期にわたって服用している時などに急激に増殖し、症状を引き起こすことがあるのです。また、パートナーから感染するケースや、膣内の洗い過ぎで自浄作用が低下して、発症するケースもあります。

かゆみがかなり激しいと、思わず掻いてしまい外陰炎を起こし赤くただれてしまうこともあります。早くに診察を受けることで、辛いかゆみはすぐにおさまります。膣カンジダ症を起こした時は、膣内を洗浄し内服薬や膣座薬で増殖した菌を抑える治療法がありますし、外陰炎は軟膏で治まります。治療開始から4日ほどたつとかゆみは軽減しますが、菌が出なくなるまで治療は続ける必要があります。通常10日ほどで完治しますが、再発しやすい病気です。日頃からカンジダ菌を増殖させないよう、健康管理には十分気を配りましょう。

膣トリコモナス症
性行為によってうつる代表的な性感染症です。トリコモナス原虫という寄生虫が病気の原因。セックスでトリコモナス原虫が女性の膣内に入り込み、特有のおりもの、かゆみ、外陰部の腫れなどを引き起こします。男性には自覚症状が少ないため知らず知らずのうちに女性にうつしてしまうのです。

症状は、においの強いクリーム色のおりものが多くなり、外陰部にかゆみを感じるのが特徴です。おりものは病気の進行にしたがって血液が混ざって緑色になり、細かい泡が混じるようになります。外陰部は腫れて痛みが増し、歩くだけで痛みを感じることもあります。放置したままだと、尿道炎や外陰炎を起こすこともあります。また子宮頸管に侵入して不妊症の原因となることもあるので、注意が必要です。あるいは尿道を通って膀胱にまで侵入してしまうケースもあります。性交以外に、温泉場や寝具・タオルなどからも感染することがあります。

治療は膣座薬を挿入したり、内服薬と軟膏を使用します。パートナーの男性も同時に治療しなければなりません。いくら女性だけが治療しても、男性の治療が済んでいなければ再発を繰り返すことになってしまうからです。
また不特定多数の男性と性交渉を持つことは、感染の危険を増大させるもとです。病気のことや症状などを遠慮なく話し合える、信頼のおけるパートナーを持つことも病気を防ぐ一つの手立てと言えるでしょう。

 
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