いきいき更年期 ご存知ですか?HRT

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HRTとは?~HRTはエストロゲンを補う治療法です~

HRT(ホルモン補充療法)とは、更年期を迎え、女性のからだの中で分泌が低下し、欠乏してゆくエストロゲンを薬で補う治療法です。HRTは、エストロゲンの欠乏により引き起こされた症状を、エストロゲンそのものを補うことにより軽減させる治療法で、原因療法といえます。
また、女性のからだのさまざまな器官に作用しているエストロゲンを維持することは、更年期に温床ができ、老年期に顕在化する病気(動脈硬化や骨粗しょう症など)の予防にもつながる可能性があるといわれています。

閉経とは?
安全なHRTとは?
どのような薬にもからだに良い作用(ベネフィット:利点)と良くない作用(リスク)があります。ベネフィットを上げるために薬の量を増やせば、リスクも増えることになります。そこで、薬の安全性を高めるためには、高い効果を得ながらリスクを最低限に抑える「最少有効量」つまり、必要最低量の薬を用いることが推奨されています。婦人科や更年期外来に相談してあなたにあった「最少有効量」の薬をみつけましょう。
HRTを始める時期は?
一般的には、更年期になり症状が出てきた頃に始めます。しかし、健康を維持するという意味では、開始のタイミングはこの限りではありません。女性の全身を守る働きをしているエストロゲンが減少すると、さまざまな病気が起こる可能性が高くなります。HRTは若返る治療法ではなく、そのレベルを維持できる治療法です。いつ始めるかによって、どんな状態を維持できるかは変わってきますが、さまざまな健康を良い状態で維持するためには、早く始める方が良いと考えられます。

HRTのよくある質問Q&A

飲み薬、貼り薬、塗り薬はどう違うのですか。
いずれも効果は同じです。経口薬(飲み薬)では、中性脂肪の上昇が見られ、60歳以上の場合は注意が必要ですが、60歳未満であれば特に問題はありません。また、飲み薬でもエストロゲンの量が少ない薬であれば、中性脂肪の上昇は認められません。一方、経皮吸収剤(貼り薬、塗り薬)は、肝臓を通らないので中性脂肪への影響はなく、より安全であると考えられています。貼り薬では皮膚のかぶれが出る人もいますが、塗り薬に変えると軽減される場合が多いです。
他の薬は飲んでもいいのですか。
風邪薬、頭痛薬、便秘薬、抗アレルギー薬、漢方薬などの併用は問題ないとされています。これらの薬を含め、服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。
飲み忘れ、貼り忘れ、塗り忘れたらどうなりますか。
不正出血(予期せぬ出血)の原因となりますので、忘れないように注意しましょう。また、エストロゲンの補充が止まりますので、忘れてしばらくすると、改善していた症状が戻りますが、再開すれば、また症状は改善します。
閉経して数年たってからでもHRTを始められますか。
海外の報告では、50代からのHRTは動脈硬化を抑え、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)を予防することが示されています、逆に、60歳以上で開始した場合は、かえって増加する可能性が報告されています。そのため「早期に開始した方が良い」とされています。それ以外の効果やリスクはほぼ同じであり、どの年代で始めても腟萎縮や骨粗しょう症を予防・改善することが出来ます。
いつ止めればいいですか。
更年期の症状を改善するためのHRTであれば、症状が改善し更年期を過ぎればいつでも止められます。しかし、止めたあとにまた症状が戻る場合もあります。また、HRTを始めてから体調が良く、そのまま続ける人も多いです。長期の場合は、定期的に検査を受け医師と相談しながら、続けていきましょう。
タバコは吸ってもいいですか。
タバコは乳がんなどさまざまな病気のリスクになるといわれ、加齢と共にそのリスクは上昇します。HRTの開始をきっかけに禁煙を心掛けましょう。
OC(低用量経口避妊薬)との違いはなんですか。
欠乏したエストロゲンを補うHRTと、避妊のために排卵を抑えるOCでは、目的が違うので、薬に含まれるホルモンの種類や量が違います。閉経後のホルモン補充療法にはHRT製剤を用います。

HRTが女性にもたらしてくれるもの

HRTの主な効果

HRTは欠乏しているエストロゲンを補うことで、からだ全体に良い効果をもたらしてくれます。

  • のぼせ、ほてり、発汗などの症状を改善する。
  • 性器の萎縮で起こる腟炎や性交痛を改善する。
  • 骨がとけだすのを抑え、骨量を維持し、骨粗しょう症を防ぐ。

また、このほかにも以下のような作用も認められています。

  • 意欲や集中力の低下を回復させ、気分の落ち込みを和らげる。
  • 悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やし、血管のしなやかさを保ち、動脈硬化症を防ぐ。
  • 皮膚のコラーゲンを増やし、肌の潤いを保つ。
HRTを受けた人は下記のように感じています。
  • 元気になった。
  • 気持ちが明るくなった。
  • 健康への意識が高まった。
  • 婦人科医に気軽に相談できるようになった。
  • 家事・仕事に支障がなくなった。
  • 化粧ののりが良くなった。
  • 仕事や趣味に積極的になった。
  • 夫・家族関係が円満になった。

※三羽良枝:日本更年期医学会雑誌 Vol.12,No2 282-289(2004)一部改変

自分にあった薬や方法を選びましょう

HRTの薬の種類

エストロゲン製剤

HRTにはエストロゲン製剤が使用されます。
エストロゲン製剤には飲み薬と貼り薬、肌に塗るジェル剤などがあります。

経口薬
一般的な錠剤の飲み薬です。服薬してから、胃腸を通して吸収されます。
貼付剤
下腹部などに貼る薬です。胃腸を通らず、皮膚から直接血液の中に吸収されるので、胃腸と肝臓の弱い方に適しています。
ジェル剤
肌に塗る薬です。貼り薬同様、皮膚から直接血液の中に吸収されるので、胃腸と肝臓の弱い方に適しています。また、塗るだけで、かぶれにくく、肌の弱い方にも適しています。
エストロゲン製剤

子宮がある人にはエストロゲン製剤に加えて、子宮体がんを予防するために黄体ホルモン製剤が使用されます。

エストロゲン製剤

1製剤中に、エストロゲンと黄体ホルモンが含まれている薬です。子宮がある人にとっては、一つの薬ですむので便利です。

使用方法の種類

HRTにはいくつかの使用方法があります。症状、子宮を摘出しているかどうか、閉経しているかどうか、閉経している場合は閉経からどのくらい経っているか、他の病気との関係など、あなたの状態にあわせた方法があります。

周期的投与法
エストロゲン製剤と一緒に、ある一定期間だけ黄体ホルモン製剤を使用する方法です。定期的に月経のような出血があり、閉経して間もない人に適しています。
持続的投与法
エストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤、もしくはエストロゲン製剤を毎日使用する方法です。使用開始後、しばらくは不規則な出血が見られますが、時間の経過とともになくなりますので、生理のような出血が嫌な人、閉経から数年経っている人に適しています。

(注意)経口薬、貼付剤、ジェル剤などの薬の種類による使用方法の違いはありません。

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