妊娠が成立するためには、精子と卵子がいくつかのハードルを乗り越える必要があります。そのステップはどれも大切なもので、一つでも不具合があるとうまく妊娠しないことがあります。不妊症の検査は、妊娠成立までの過程の中でどこで原因があるかを見定め、うまく妊娠に導くための検査です。特に女性は生理周期に合わせていろいろな検査が必要になるので、一通りの検査が終わるまでに数ヵ月かかることがあります。医師とよく相談しながら取り組んでください。
不妊の原因はほぼ男女半々です。カップルで協力して検査・治療に取り組みましょう。体調や精神的なストレスも検査に影響を及ぼしますので、不安や質問がありましたら、医師や看護師に気軽にご相談ください。
卵巣内部にある卵胞はホルモンの働きで発育し、各生理周期に一度、卵子を排出します。(排卵)
卵子は卵管采に取り込まれた後、卵管に送られ、腟から子宮を通って進入してきた精子と出会い受精します。
受精した卵子は子宮へと移動し、子宮内膜にくっつき(着床)妊娠が成立します。
妊娠のプロセスのどこかに障害があると、妊娠しにくくなります。不妊の原因は一般に女性にあると思われがちですが、男女ほぼ半々といわれています。具体的には、次のような原因が考えられています。
- 排卵障害
(高プロラクチン血症やその他ホルモンの分泌異常など)。 - 卵管が狭かったり、つまっている。
- 子宮の形が異常(受精卵が着床しにくい)。
- 子宮や卵巣の病気(子宮内膜症、子宮筋腫など)。
- 免疫学的な問題(卵子または精子に対する抗体)。
- 子宮の入り口を精子が通過できない(頸管粘液が少ないなど)。
- 精子の数が少ない、または動きが悪い。
- その他(原因不明)。
まず始めに問診をして体の状態を把握し、今後の治療方針についての話をします。
そして、女性の場合は生理周期に合わせていろいろな検査が必要になるので、基礎体温を測定して性ホルモンの分泌のリズムを調べます。治療に対して疑問に思ったことや希望があれば積極的に医師に伝え、納得して検査や治療を受けましょう。
排卵の有無や排卵日の予測に有効な検査の一つです。性ホルモンは、一定のリズムをもって分泌されており、正常な生理周期の場合は、低温相と高温相の二相性を示します。そして低温相最終日と尿検査や超音波検査などを組み合わせて排卵日が推定できます。1周期だけでは特徴的なグラフにならなくても、3ヵ月ほど続けると自分なりのグラフのクセがあらわれてきます。排卵日の特定だけでなく、体調管理の一環としても上手に利用しましょう。
- 就寝時に婦人体温計を枕元に置いておき、朝、目を覚ましたらすぐに横になったままの状態で測りましょう。
- できるだけ起床時間(測定時間)を一定にしましょう。
- 毎朝正確に測った体温は、グラフにして記録しましょう。
- 低温期から高温期に上がりはじめるころに排卵があります。
- 1~2日測り忘れても、あきらめないで続けましょう。
- [低温期]
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- 血液検査(ホルモン測定)
- 超音波検査
- 子宮卵管造影検査
- 子宮鏡検査
- [排卵期]
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- 血液検査(ホルモン測定)
- 超音波検査
- 頸管粘液検査
- フーナーテスト
- [高温期]
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- 血液検査(ホルモン測定)
- 超音波検査
- 子宮内膜組織検査
不妊症の原因を調べる上でまず必要なことは、排卵があるか、卵管が正常に機能しているか、男性因子が正常であるかを把握することです。それらを調べ、異常や疑いが認められた場合、さらにより詳細な専門的検査が行われます。

- 女性ホルモンは卵胞期・排卵期・黄体期などの生理周期によって、変化しています。そこで、各時期にあわせて採血をします。女性の体内で分泌される各種ホルモンは排卵や妊娠に大きく影響しており、排卵や着床に問題がないか、排卵時期の予測などの判断材料になります。

- 不妊治療ではとてもポピュラーで不可欠な検査です。超音波を発信するプローブという器具をおなかの上にあてたり、腟の中に入れたりして子宮や卵巣に異常がないかを調べる検査です。卵胞の成熟状態や排卵の有無・排卵時期を知ることもできます。

- 専門の注入器で卵管に空気や水を注入して卵管がつまっているかどうかを調べる検査です。造影剤を用いて撮影を行うと卵管の通過性だけでなく、子宮の形や大きさ、卵管の走行までわかります。この検査により、癒着していた卵管が開通して妊娠したという例もあります。
(超音波造影検査)
カテーテルで造影剤を注入しながら、超音波を発信するプローブを腟に挿入し、モニターで確認します。X線を使わず、短時間(約10分程度)で受けることができます。(X線子宮卵管造影検査)
シリンジまたはカテーテルを腟に挿入して造影剤を注入した後、レントゲン撮影をします。より詳しく子宮・卵管の状態を確認することができます。 
- 排卵日が近づき、血液中のエストロゲンが増えると子宮頸管から分泌される粘液が増加してきます。これは精子が子宮内に入りやすくする役割を果たしています。そのため頸管粘液の量や質を調べることにより、精子が子宮内に入りやすいかどうかがわかります。

- 精子と頸管粘液の相性をみる検査であり、男性の協力が必要です。排卵日頃に性交をし、病院に来て、注射筒で頸管粘液を腟・頸管・子宮内から採取して、動いている精子の有無を確認する検査です。精子が受精可能な場所まで移動できるかを判定します。場合によっては、複数回行うこともあります。

- 精子の状態をみる男性側の検査です。3~4日禁欲した後、マスターべーションによって専用の容器に精液をとって、その状態(精液量・精子濃度・総精子数・精子の運動性など)を顕微鏡で確認する検査です。精子の状態は体調などにより変化するので、数回検査を行う場合があります。
不妊の一般的な検査で異常や疑いが認められた場合、必要に応じて行われる検査には以下のようなものがあります。

- おへその下に小さな穴を開けて、そこから腹腔鏡(ラパロスコピー)を入れて、おなかの中の様子を観察する検査です。子宮内膜症などの内診や超音波検査ではわからない子宮や卵管の詳しい状態がわかります。全身麻酔をかけて行うので、入院が必要です。

- 子宮腔内に内視鏡(ファイバースコープ)を挿入して、子宮内の様子をモニター画面で観察する検査です。筋腫やポリープなどがあった場合、その場で切除することも可能です。

- 免疫学的検査のひとつで、女性が受ける血液検査です。いつでも受けることができます。女性の体に抗精子抗体があると、精子を異物とみなして、精子の動きを止めたり受精を妨げたりしてしまいます。
その他にも卵管鏡、染色体検査などの精密検査があります。
- 不妊の原因がわかったら、医師より治療法についてお話があります。
わからないことがあれば、医師や看護師に聞いて、心配や不安を解消しましょう。 - 不妊の検査や治療はここ数年で格段に進歩しています。
積極的に検査・治療を受けることで、妊娠の可能性はずいぶんと高くなります。 - 不妊治療の期間は数ヵ月から数年にわたる場合までさまざまです。
医師と相談しながら根気よく取り組みましょう。 - 検査・治療法によっては、保険がきかず自己負担になるものもあります。
前もって治療費について医師に相談されるのがよいでしょう。














